イエスは、ガリラヤ湖のほとりを歩いておられたとき、シモンとシモンの兄弟アンデレが湖で網を打っているのを御覧になった。彼らは漁師だった。イエスは、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と言われた。二人はすぐに網を捨てて従った。 「網」という生産手段を所有する立派な漁師と言えば、今で言えば、有名大学を卒業して一流企業に就職したエリートに相当するくらい、社会の中核を担うことを期待された若者であっただろう。そういう将来有望で安定した生活を約束された若者が「すぐに網を捨てて従った」ということは、回りの人、特にシモンとアンデレの親御さんには、非常に衝撃的なことであったに違いない。 そして、この時点のイエスは、布教開始直後であり、何の権威も名声もない。ここには、彼らがイエスについていくことについて、イエスの言葉以外に何のロジック、弁明もない。宗教とはそういうものである。 こうやって若い人をた