2009.4.18 UP 2007年、ドキュメンタリー映画『選挙』で話題を呼んだ想田和弘監督。その彼の「観察映画」の新作『精神』がこの6月に公開される。 岡山市にある外来の精神科診療所「こらーる岡山」。1997年に山本昌知医師を中心に設立され、従来の閉鎖病棟のイメージとは違って、患者本位の医療という理念の下、患者が地域社会で暮らしていくための治療活動をおこなっている。その「こらーる岡山」を舞台にした『精神』は、患者や先生をはじめ診療所のスタッフにカメラを向けて、今なお偏見が著しい心の病をテーマに、「正気」と「狂気」の境界を改めて問いかけるドキュメンタリー映画である。 (聞き手:村山匡一郎) 燃え尽きて精神科に駆け込む 20歳頃の学生時代に東大新聞の編集長をやっていましたが、モーレツ社員のようにガムシャラに働いて「燃え尽き症候群」にかかりました。 その時、いわゆる「精神病」やその患者さんに対