以前は物を買うきっかけのほとんどが衝動だった。 過去にした買い物ぶんのお金。 全部投資かなにかに回していればいまごろは 蔵が建ってたかもしれない。 雰囲気のあるひととは。 毎年毎年季節の変わり目になると母は言う。 この時期何を着ていいか分からないのよね。 数ヶ月前の春に着ていた物が タンスの中にあるはずなのに 毎度出てくるセリフ。 「今の時期着るものがなくて・・・」 「なにかこうちょうどいい羽織るものとか欲しい」 そしてしまむらだ、ユニクロだと 今年の何かを探す旅に出る。 若い頃。 私はアパレルの仕事をしていた。 アパレルなんて気取った言い方をやめれば服屋の店員だった。 ジーンズショップにいた時。 ジーンズのセルビッチだ、赤耳がどうの、ビックEがどうとか歴史やうんちくを言いながら何万もするボロボロの古着デニムを穿いていた。 そしてそれをお客様に勧めていた。 田舎に帰ってからは高級な紳士服専