都知事選がユニークなのは、投票する人々が自分を「都民」だと思っていないことである。 私は生まれてから49年間、ずっと東京に住んでいるが、ああ俺って都民だなあと感じたことはないし、そう意識している人間に出会ったこともない。 年賀状は郵便番号さえ書けば宛先に「東京都」はいらないし、住民票などの手続きは区役所や市役所ですむ。 東京都に所属する職員は17万人もいて、そのうち10万人が公立学校の教職員と警視庁管内の警察官だが、彼らはせんせいでありおまわりさんであって、都の職員として認識されることはない。 東京都は47都道府県で唯一、地方交付税の交付を受けていない。だから人々は分権改革や道州制にほとんど興味がないし、首都移転構想も他人事と思っている。 都の知事(候補者)が原発のようなデカい話にやたらと首を突っ込むのは、今に始まったことではない。巨大開発とか国際博覧会とかオリンピックとか尖閣諸島とか、む