「栄西が宋から茶の種を持ち帰り、日本に抹茶を広めた」「千利休が侘茶(わびちゃ)を大成した」…そんな定番の茶道史に異議を唱える面白い集団がいる。その名も「茶の湯の歴史を問い直す研究会」。そのなかで、おもしろい研究をしている一人が遠藤啓介先生。考古学で茶の湯の歴史にアプローチする珍しい研究者だ。栄西の伝説はウソなのか? さっそく遠藤先生に話を聞いてきた。 尚、聞き手はオフィスの給湯室で抹茶をたてる「給湯流茶道(きゅうとうりゅうさどう)」。「給湯流」と表記させていただく。 利休の弟子・山上宗二の“意識高すぎ”秘伝書を過剰評価…茶道史研究は、誤解を生んできた? 遠藤啓介(以下、遠藤):茶の湯の歴史は、文字資料の研究がメジャーです。茶会の記録、茶道具にどんな由緒(言い伝え)があるか書かれた文書などが研究されてきました。 給湯流茶道(以下、給湯流):千利休の茶会に参加した人のレポなどを読むのは、自分も
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