昭和初期に出版された、古い陶器のリトグラフを持つ金田光雄さん=富山県高岡市大町の眉丈文庫地下1階書庫昭和初期に出版された色鮮やかな石版画=富山県高岡市大町の眉丈文庫1階は児童書のコーナー。子どもたちが漫画を読んでいた=富山県高岡市大町の眉丈文庫 富山県高岡市に、珍しい私立図書館がある。約80年前、地元の実業家が私財を投じて開いた「眉丈(びじょう)文庫」。昭和初期の色鮮やかな石版画など、貴重な資料を子孫が守ってきた。景気の悪化で運営する財団は苦しいが、4代目の当主は「意地でも守り抜きたい」と意気込む。 江戸時代から銅器や漆器産業が盛んだった高岡市。眉丈文庫は1927(昭和2)年、呉服商などを営んだ金田眉丈氏が若い職人の勉強の場にと高価な美術書をそろえ、自宅で公開したのが始まりだ。現在、文庫を運営する財団理事の光雄さん(61)は4代目。02年、父・恒二さんの死去を機に東京の会社を辞め戻った