[1] SSMとは [1-1] SSMに関心が集まっているわけ 最近、SSMについて質問されることが多くなりました。2003年11月に来日したSSMの提唱者 ピーター・チェックランド(Peter Checkland)教授の講演がその引き金になっているようです。SSMとはSoft System Methodologyの頭文字で、Soft(柔軟)にシステム思考(システムズアプローチ)をすることで問題の解決を図ろうとする方法論のことです。 システムエンジニアがSSMに関心を寄せる理由は大きく2つ考えられます。 1つは、最近のソフトウェア開発現場では、モデル指向の開発プロセスが採用されるようになってきているため、上流工程でSSMを適用してそのモデルを後続のシステム開発工程のモデルと連動させられないかという期待が持たれているためです。もう1つは、ソフトウェアを開発するにあたって、ビジネスゴール(進む
前回はチェックランドのソフトシステム方法論(SSM)[1]の基礎となる人間活動システムの基本定義や概念モデルについて説明した[2]。今回はSSMによるシステム分析プロセスの内容とその留意点を紹介しよう。 SSMの分析プロセス 【ステージ1、2】発見 SSMの最初のステージが問題の発見である。ステージ1で分析の対象となる問題状況を抽出し、ステージ2で問題状況を具体的に表現する。たとえば、どんな視点Wから見ると、その状況が問題となるのかを利害関係者に質問して記録する。(ここで、Wは「世界観」の略であるが、システムが何であるかという見方なので、世界観よりもやさしい言葉として「視点」を用いることにする。)この場合、基本定義や概念モデルを用いて問題状況を表現することもできる。ただし重要なことは構造化されていない問題状況を把握することであるので、基本定義や概念モデルの作成では、分析者の考え方や視点を過
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