<安倍政権が最低賃金の24円引き上げを経済対策に盛り込んだが、低所得層を支援し、消費の拡大につなげようという目論見は外れるだろう。なぜなら、最低賃金で働く労働者は低所得層ではないからだ> 安倍政権は2日に閣議決定した総額28兆円の経済対策に、最低賃金の引き上げを盛り込んだ。低所得層を支援し、消費の拡大につなげようという目論見である。最低賃金を経済対策として見た場合、どの程度、効果があるのだろうか。 最低賃金が700円以下の地域は消滅する 厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会は7月28日、最低賃金の目安について、全国平均で24円引き上げ822円とした。24円の引き上げは2002年度以降ではもっとも高い水準。政権からの強い要請を受け、大幅な増額に踏み切った。 安倍政権は何度も賃上げを財界に要請するなど賃金アップにこだわってきた。その理由は、アベノミクスのスタート以後、物価が上がって生