共同通信運動部の報道により、JOCなどが動き出し、東京五輪でも話題となった女性アスリートの盗撮被害や性的画像問題。その端緒となったのは記者の学生時代の経験と、ある女性陸上選手の告白だった――。
共同通信運動部の報道により、JOCなどが動き出し、東京五輪でも話題となった女性アスリートの盗撮被害や性的画像問題。その端緒となったのは記者の学生時代の経験と、ある女性陸上選手の告白だった――。
覚醒剤取締法違反で逮捕され、執行猶予中だった清原和博との対話。ひとり暮らしをする清原のもとを訪ねると、リビングには数匹の亀と3本のバットが置かれていた。亀を眺めながら明かした薬物依存との戦い、家族への想いとは……。 ベストセラー『嫌われた監督』で大宅賞、講談社ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞、ミズノスポーツライター賞の4冠受賞を果たした作家・鈴木忠平氏の待望の新刊『虚空の人 清原和博を巡る旅』より一部抜粋してお届けします。(全3回の1回目/#2、#3を読む) 一方でハチ公口へ続く階段には相変わらず人波が絶えず、窒息しそうな閉塞感に満ちていた。そして約束の日はやはり木曜日だった。 あらゆることが変化したようであり、ほとんど変わっていないようでもあった。 山手線を田町駅で降りると南口へ出た。埋め立てによってつくられた臨海都市の舗道は不自然に平らで直線的だった。ロー
9月7日から10日まで東欧ラトビアの首都リガで行なわれたフィギュアスケートのジュニアグランプリシリーズの第3戦、女子シングル。ブラジル代表として出場した14歳のマリア・レイクダルが、世界的な注目を集めた。 その最大の理由は、フィギュアスケートの国際大会に出場した世界初のトランスジェンダーの選手だったからだ。14歳にして、トランスジェンダー選手として世界の頂点を争う舞台に立った異色のスケーターはこれまでどのような人生を歩んできたのだろうか。(全2回のうち第1回/続きは#2へ) 身体が男の子でも、心は女の子だと感じたの 2008年3月29日、マリアはブラジル南東部クリチーバで男の子のジョアンとして生まれた。その2年後に妹タリアが、そのまた2年後に弟カルロスが生まれた。 やがて、ジョアンは自分が他の男の子とは少し違うことに気付く。 「身体が男の子でも、心は女の子だと感じたの。他の男の子のように髪
神宮球場の一塁側・内野席で日本シリーズ第2戦を見つめていた相原正美(元岩出山野球部監督)は、教え子である今野龍太の出番を待っていた。「8回に登板しそうだ」。席がちょうどブルペンの前だったため、慌ただしく準備するヤクルト中継ぎ陣の様子がよく見えるのだ。 恩師を招待した日本シリーズで… 4番手でマウンドに向かう今野に心の中でエールを送ると、祈るような気持ちで戦況を見守った。3点ビハインドの8回表から9回表。今野は回またぎで打者6人を無安打無失点無四死球と完ぺきに抑えて仕事を果たした。この流れに乗ってか、ヤクルトは9回裏の土壇場で内山壮真に同点3ランが出て、試合は延長12回3-3でゲームセット。5回から投手7人を繋いだ継投策。相原監督はその一翼を担った今野に感動していた。今野が相原のためにと用意してくれた「特等席」で。 「神宮で本人を見たのは今日が2回目。今野の好投を見られたのも良かったですが、
学校部活動での体罰やパワハラが問題になる一方で、新たな指導の取り組み方で強さを手に入れているチームがある。全国高校サッカー選手権に出場するまで成長した高校を追った『「毎日の部活が高校生活一番の宝物」堀越高校サッカー部のボトムアップ物語』(竹書房)の一部を転載する(全3回の1回目/#2,#3へ) 任せる・認める・考えさせる」畑喜美夫の指導 2012年、ゴールデンウィークに入ると堀越高校でAチームを指導する佐藤実は、広島県立安芸南高校でサッカー部監督を務める畑喜美夫を訪ねた。同校の体育教官室で畑の解説を聞き、ボトムアップ理論の原点となった広島大河フットボールクラブ(FC)の浜本敏勝総監督と会い、同理論で全国制覇を達成した広島観音高校も視察するなど忙しく駆け巡った。 広島へ足を運ぶ段階で、既に選手たちには堀越高校もボトムアップ方式にシフトしていくことを伝えていた。決断を力強く後押ししたのは、波崎
満開の桜が咲く2021年4月、28歳の若さで一線を退き、看護師として新たな道を歩み始めた元アスリートがいた。 女子サッカーなでしこリーグ1部のノジマステラ神奈川相模原でプレーした尾山沙希さん(32歳)は、17年の現役引退後に、看護学校へ進学した。昨年3月に国家試験に合格し、新人看護師としてのキャリアをスタート。コロナ禍の中、2年目を迎えている。 「どんな仕事でもそうだと思うんですが、慣れるまでが大変でした。最初は本当に分からないことばかりで。今も完璧だとは言えませんが、1つずつ業務を覚えるなかで、患者さんのため何ができるのか、先を見据えながらいろいろと考え、日々を過ごしています」 どんなアスリートにもいつかは引退が訪れ、次の人生、セカンドキャリアがスタートする。ラグビーの福岡堅樹や柔道の朝比奈沙羅など、医師を志すアスリートも増えてきているが、それはごく少数。同様にアスリートから看護師という
日本最難関大学である東京大学に入学し、さらに体育会(※東京大学では「運動会」と称する)の花形である野球部で活躍した学生は、知力と体力を兼ね備えたスーパーエリートと呼んでいいだろう。彼らのような人材は、野球部を引退した後はどのような道に進んでいるのだろうか。東大野球部のウェブサイトやスポーツ紙には、東大野球部の4年生の進路が毎年掲載されており、それらを集計すると興味深い事実が見えてきた。今回数字を集めたのは、92年から現在の2022年まで。バブル崩壊を多くの日本人が実感しはじめた1991年の翌年3月に卒部した平成部員から令和部員までを追い、10年ごとの区切りのなかで、トレンドを紹介していきたい(全3回の3回目《12年~22年編》/#1、#2へ)。 1位 就職(40%)86人 2位 大学院(31%)67人 3位 在学(24%)51人 その他、プロ野球、大学病院復帰、留学など
2021年から2022年(対象:12月~4月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。インタビュー部門の第1位は、こちら!(初公開日 2022年1月9日/肩書などはすべて当時)。 「チームとして優勝して初めての雰囲気を味わえたというか、NWSL(アメリカ女子プロサッカーリーグ)には夢があるなと感じられた。すごくいい経験ができたと思います。それに、自分がまだまだやらなきゃいけないことがあるんだと突き付けられたし、世界にはすごい選手がいるんだということも痛感させられましたね」 NWSLのワシントン・スピリットに所属する元サッカー女子日本代表FW横山久美(28歳)は、今季リーグ戦12試合に出場。チームは11月20日のファイナルを延長戦の末に制し、女王に輝いた。
4月10日、プロ野球28年ぶりの完全試合を達成した佐々木朗希(20歳)。そのボールを受けたのは、昨年ドラフト1位の18歳・松川虎生だった。そもそも高卒新人が捕手開幕スタメンになるのはプロ野球史上3人目、そして完全試合捕手としては史上最年少となる。松川虎生は何がスゴいのか? 高校時代のエピソードを紹介したい。 先に評判が聞こえてきたのは、バッテリーを組む小園健太投手(現DeNA)のほうだった。2019年の秋の頃だ。 184cm80kg。まだ1年生だが、コンスタントに140キロ前半の速球を投げて、勝負度胸も十分。その年、夏の甲子園予選でも、市立和歌山高の中心投手として、3試合すべてのマウンドに上がったという。 私が小園の姿を初めて見たのは、その翌年。コロナ禍で「甲子園」につながらなかった2020年の夏の和歌山大会。宿敵・智弁和歌山戦だ。 長身に厚みを感じる堂々としたユニフォーム姿。2年生の夏に
「僕は、藤浪晋太郎の気持ちがよくわかりますわ」 毎年エース候補と期待され、時折胸のすくような快投を見せる。しかし、コントロールの乱れから調子を崩し、シーズン中盤には先発と中継ぎを行き来した挙げ句、オフにはトレード候補と騒ぎ立てられる――。 昭和末期から平成初期の阪神に、現在の藤浪と同じような投手がいた。沖縄・興南高校で甲子園を沸かせ、1983年秋のドラフト会議で3位指名を受けた仲田幸司である。(全3回の1回目/#2、#3へ)。※敬称略、名前や名称は当時 ◆◆◆ 「矢野(燿大)監督は藤浪に開幕投手を託したわけですから、腹括って1年間心中してほしい。いくら負けても、年間25試合は先発で使い続ける。首脳陣がそう覚悟を決めれば、変わると思います。藤浪には“自分を信じろ”としか言えません。ただ、自分を信じられるかどうかは、練習量に懸かってくる。92年、僕はこれ以上もうできへんと思うくらい試行錯誤した
「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むこと」は、すべての人々の権利だ。日本のスポーツ基本法の前文に、そう書かれている。しかし、現実には、貧困や社会格差のために、スポーツを存分に楽しめない子どもたちがいる。 息子に「中学の部活まで待って」と言い続けた母親 「中学の部活まで待って」 東京都内に暮らす30代のシングルマザーは、長男が小学校を卒業するまで、そう言い続けた。サッカーが好きだった長男。でも、母親は、クラブチームやスポーツ少年団に入れる選択肢を持てなかったという。 12年前に離婚。医療関係や受付の仕事をして、2人の子どもを1人で育ててきた。 「経済的にも時間的にも余裕がなく、生きるのに精いっぱいでした」 費用が少なくて済む学校内の部活なら、と言い聞かせていたのだった。 スポーツ少年団に入っている長男の同級生のママ友の中には、「試合に来なよ」と声をかけてくれる人もいた。 「でも、仲良くし
帰宅部増加の理由はなぜ? アンケートを実施 近年、中高生の間で運動部にも文化部にも所属せず「帰宅部」を選ぶ生徒が増加しています。 全国の中学2年生の男女およそ100万人を対象にした調査(令和1年スポーツ庁)によれば、男子14.8%、女子11%が帰宅部という結果に。平成26年からの5年間で、男子は2.7ポイント、女子は1.9ポイント上昇しています。さらに、進学情報サイト「スタディサプリ進路」が高校生を対象に実施した調査「入りたい部活ランキング」(2021年)では、帰宅部が1位になるという結果が出ました。 なぜいま、帰宅部を選ぶ中高生が増えているのでしょうか? その理由を探るべくNumberWebでは、部活をやめて帰宅部になった“かつての中高生”に、「あなたが部活をやめた理由」というテーマでアンケートを実施。わずか5日間の集計で、241人の票が集まりました。 「やめた理由」で多いのは? 時期は
「ゼミは学部の3、4年生が所属しています。定員が10名なので、合計20名です。今年も10人に卒論を書かせて卒業させます」 町田のもとにはどのような学生が集まってくるのだろうか。 「私が所属するのは人間開発学部健康体育学科です。ともすれば分かりにくいネーミングかもしれませんが、要は主に『教育』について探究する学部で、その中にあるスポーツや体育に関わる学科に私は所属しています。私が専門とするスポーツ科学はユニークで幅広い分野です。スポーツ科学と一口に言っても、例えば、スポーツ社会学、スポーツ法学、スポーツ経済学などの、あらゆる分野が含まれています。そういう意味でスポーツ科学は、『学際』領域と言われています。ですから、元来健康体育学科にはいろいろな興味関心を抱いている学生が多いのですが、私のゼミには、主にスポーツ社会学系の問題意識をもった学生が集まってきます」 生徒との交流「研究指導を行って、す
北京から北へ約180キロ。スノーボード男子ハーフパイプ予選が行われる張家口・雲頂スノーパークに向かう早朝の高速鉄道には、北京五輪が始まってから最多と見られる人数が乗車していた。報道陣用のシャトルバスも満員。たどりついたメディアセンターは超満員。机を確保できないメディアが続出していた。 これまで予選ではフリーパスだったミックスゾーンでの取材にも特別チケットが必要。耳を澄ませば英語、中国語、韓国語、ドイツ語など、いくつもの言語での会話の中で「ヒラノ」「ジャパン」という固有名詞が聞こえてきた。 「ショーン・ホワイト」「スコッティ・ジェームズ」という名前も聞こえる。 “驚愕のエア”に会場がどよめいた 狂想曲が始まろうとしていた。 長さ220m、幅22m、斜度18度、パイプの壁の高さ7.2m、パイプの縁から下への角度82度。パイプを見上げる招待客や関係者、報道陣、誰もがワクワク感にあふれる表情をして
実は、バスケ部に所属しながらも、中学時代に3000mで宮城県8位の実績を残している。古川工業高に進学すると、バスケを続けるつもりが、齋康浩先生の熱心な勧誘を受けて陸上競技を本格的に始めることになった。そこからは、高校、大学と、走ることに全力を注いできた。 高校卒業後の進路は、家庭の事情から一度は就職を決意していた。だが、めきめきと力を付け、全国高校総体(インターハイ)に出場したことで、大学進学の道が切り開かれた。そして、高校2年の時に最初に声をかけてくれた帝京大に進むことを決めた。 帝京大に“ドラ1”で入学 帝京大といえば、“叩き上げ”が代名詞。今は高校生で5000m13分台を出す選手が珍しくない時代だが、13分台はおろか、14分30秒以内のタイムの選手が入ってくることさえ、なかなかなかったチームだ。それゆえに、高校時代に14分23秒66で走っている遠藤は、その年の“ドラ1”的存在だった。
初観戦の試合が、長嶋茂雄氏のナゴヤ球場で最後の… ――『水曜どうでしょう』で北海道のイメージが強い藤村さんですが、ご出身は愛知県なんですよね。子供の頃はどんなスポーツをやっていたのですか。 藤村 それはもちろん、中日ファンでしたよ。当時、愛知の小学生男子といえば、野球帽をかぶり、中日のTシャツを着るのが“スタンダード”。地元の野球クラブにも入ってました。補欠でしたけど。 実は、生まれて初めて行ったプロ野球観戦が、結果的に長嶋茂雄さんのナゴヤ球場での現役最後となった試合だったんです。だけど、地元からナゴヤ球場まで1時間以上かかるから、試合開始に間に合わせるには学校を早引きする必要があった。先生に早退したいと伝えると「学校なんかに来てる場合じゃないよ、早く行きなさい」って。そういう時代だったんです。 ――そこからますます野球のファンになっていったと。 藤村 いや、それがそうでもなくて。その試合
格闘技 プロレス 「アンチの存在も面白さ」大人になったスターライト・キッドが語るヒールの充実感と“マスクウーマンの野望”《新成人特別グラビア》
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く