防衛省が鹿児島県西之表市馬毛島で進める米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地整備で、随意契約した係留施設や仮設桟橋、滑走路の工事費が当初の計1680億円から少なくとも3508億円に倍増していることが20日、南日本新聞の調べで分かった。新たに工事用の構造物や火薬庫などが必要になったとして契約変更を重ねており、入札を経ないまま経費が膨らみ続けている。 一連の工事は国土交通省九州地方整備局が防衛省の支出委任を受けて発注した。随契で増額したのは、島の東部に造る係留施設、三つの仮設桟橋、滑走路新築の計6事業。大手ゼネコンや地元業者らでつくる共同企業体(JV)6社が設計や技術提案段階から請け負う。随契の理由は「外洋に面した無人離島での海上作業で、極めて特殊な条件」などとしていた。 契約関係書類によると、最も大きな増額は「五洋・東亜」JV受注の係留施設。2月に628億円、7月7日に522億円を積み増し、当初の9