(歴史ライター:西股 総生) 土の城を撮る基本は広角レンズの使いこなし 建物も石垣もない中世~戦国時代の城、いわゆる土の城を歩く人が増えてきた。ほんの十数年くらい前まで、土の城を歩くのは専門の研究者か、ごく少数のマニアの領域だった。けれども今は、城好き・歴史好きな人々の中で一つのジャンルとして確立されている。 となれば、それを写真に撮りたい人が出てくるのも当然であるが、「どうもうまく撮れない」という声を、しばしば耳にする。なるほど、たしかに近世城郭を撮る方法論の延長上で土の城を撮っても、うまくゆかないようである。 端的にいうなら、近世城郭は風景写真の技術・方法論を応用すれば、きれいに撮れる。けれども、山の中に眠っている空堀や土塁は、風景写真の方法論だけではうまく作画できない。筆者の実感からいうなら、土の城を撮る方法論は、遺跡調査などの学術調査・研究用写真のそれに近いように思う。
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