55年もの間、日本が守り続けてきた「名目国内総生産(GDP)ベスト3圏内」の座から転落する可能性が出てきた。円安が定着すれば、2023年にもドイツに3位の座を奪われ世界4位へ後退する可能性があるという。「失われた30年で日本の経済力が低下したため」と言われているが、実はそうではない。今回の転落は、この10年間で起こったことなのだ。 アベノミクスでドイツとの格差が一気に縮まった 日本とドイツの名目GDPの推移(単位10億ドル、2022年は10月時点の推計。IMFのデータを元に世界経済のネタ帳が作成) バブル景気前の1980年から2022年(10月までの数値)までの日本とドイツの名目GDPの推移を見てみよう。1980年は日本が1兆1278億ドル、ドイツが8537億ドルと日本はドイツの1.32倍程度だった。その後、日本はバブル経済による景気拡大と円高の進行でドル換算のGDPが膨らみ、両国の格差が