一人前の男は料理ができる?雑な言い方だが、料理本には2種類ある。とにかく実用的なものと、読み物として面白いものだ。 『スヌープ・ドッグのお料理教室 60のプラチナ極上レシピ』(晶文社、2022年)は後者である。使えない本だというわけではない。スヌープ・ドッグの本職はラッパーだが、料理の専門家マーサ・スチュワートと『マーサ&スヌープのポットラック・ディナー・パーティー』という番組を作ったくらいで、料理好きとして知られている(マーサがこの本に序文を書いている)。完成品の写真がない料理や、アメリカ風に豪快すぎて作りにくそうな料理もあったりするが、基本的にはちゃんとしたレシピ本だ。私も実際にこの本を使って料理を作ってみたが、美味しくできた。 しかしながら、たぶんこの本は実用性よりも、スヌープの話が面白いというところが売りだ。料理には「ダ・ネクスト・レヴェル・サーモン」とか、ラッパーが自慢をしている
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