タグ

ブックマーク / essa.hatenablog.com (45)

  • 進化心理学をちょっと齧って思ったこと - アンカテ

    進化心理学のを何冊か読んでみて、これは大変面白い分野だけど、ちょっとモノの言い方を間違えてると思った。言い方が悪くて受け入れられてないように感じて、もったいないと思ったので、それについて書いてみたい。 まず一番の間違いは、進化心理学ではすぐに「人間はこうだ」と言いたがる。これは、典型的な「主語が大きい」言い方だ。 進化心理学が当に言っていることは、人間全部についてでなく一部の人間についての話だ。 昔々あるところに兄弟がいた。長男がカインといい、次男がアベルという。カインは嘘つきでアベルは正直者だ。これを見て、進化心理学は「人間は嘘つきだ」という。 人が自分をだます理由 作者:ケヴィン・シムラー,ロビン・ハンソン,大槻敦子発売日: 2020/04/06メディア: Kindle版 たとえば、このにそんなことが書いてるが、当にこのが言っているのは、「カインは嘘つきであなたはカインの子孫

    進化心理学をちょっと齧って思ったこと - アンカテ
  • 安心のかたちはみんな違う - アンカテ

    後ろ暗いことを長年してる会社には、隠蔽を担当するチームがあるはずだが、そのチームの部署名はまず「隠蔽課」であることはない。隠蔽を長年続けるにはまず隠蔽していること自体を伏せなくてはならない。これは「隠蔽」というものの持つ普遍的な性質である。 人間のこころの中には、さまざまな隠蔽の仕組みがあるが、その中で重要なものの一つが「死の恐怖」の隠蔽である。誰でも自分がいつか死ぬことは知っているが、何かの間違いで戸愚呂弟に追い詰められるて、あの有名なセリフを言われるようなことでもなければ、そんなことは普通誰も考えない。だからと言って、単純に、自分はそんなことを感じたことも考えたこともないと思うのは、問題のある会社の社員が「ウチの組織図を見ましたけど隠蔽課なんてないですよ」と言っているようなものだ。 コロナウイルスの要求する行動変容は、みんなのこころの中で人知れず活動している「隠蔽課」を直撃する。「死の

    安心のかたちはみんな違う - アンカテ
  • ウィルスは忖度しないモノと見るべきだけど人間の社会脳も同じようにモノとして見るべき - アンカテ

    社会脳仮説とは、人間の脳のチップ面積の半分は対人関係処理専用プロセッサが占めているという話だ。 「大型クルーズ船における新規感染症の対策について」という論文があって、「法的な強制力の適用条件」とか「船内特有のゾーニングの困難さとその対処」なんていう目次があったとしても誰も読まない。でも「岩田 VS 高山、インチキ野郎はどっちだ」という話になると大変な注目を集める。 注目を集めるだけではなくて、やりとりを見ているうちに、問題の構造を多くの人が普通より理解し始める。 カードの数当てゲームみたいな問題を、数学的な複雑性や構造をそのままにして「チートしているのはこの4人のうちの誰でしょう?」という問題にすると、正答率が有意に上がるという研究があるそうだ。 人間は、モノの論理を考えるより、対人関係の中の問題を解く方がずっと得意なのである。 これは歴史が古く、人間が猿だった頃からそうだった。そもそも、

    ウィルスは忖度しないモノと見るべきだけど人間の社会脳も同じようにモノとして見るべき - アンカテ
  • リスクテイカーという貴重な資源 - アンカテ

    ゴーンさんのこれまでについてはよく知らないし、これからどうなるのかもわからないが、そういう私にも確実に言えることがひとつあって、それは彼がリスクの取り方をよく知っているということである。 私たちは、彼が出国に成功した時点からネタバレで見ているので見落としがちだが、実行前には、これはどうなるか誰にも予想できないことであったはずだ。特にゴーンさんの視点から見ると、彼は他人が自分の思惑通りに動かないという体験を、最近しているわけである。 ここ数年は勇退のチャンスも何度かあったが、それに乗らなかったのは、まさか自分の蓄財が不正として告発されるとは夢にも思っていなかったからだろう。それがグレーなのかクロなのかはわからないが、日政府やフランス政府も含め、ほとんどのステークホルダーにとって、自分を日産ルノー連合のトップに据えておくことが得だと考えていたのだと私は思う。 日産の経営は単なる自動車会社の経

    リスクテイカーという貴重な資源 - アンカテ
  • Webの次はすでにいつでもそこにある - アンカテ

    Webが死につつあると最近よく聞くようになってそうかもしれないと思いかけたが、IPFSを知って考え直した。 と言っても、IPFSがHTTPを置き換える未来を確信した訳ではない。ホワイトペイパーを眺めてみて、「最近は革命もお手軽にできるようになったもんだな」と思ったからだ。 IPFSの構想は壮大だが、その技術はすでによく使われているものの使い回しだ。DHTベースのP2P, BitTorrentベースのファイル転送、gitとほぼ同じデータ構造の組み合わせで、Filecoinという仮想通貨ベースのシステムで、データの永続性のためのインセンティブを与えるということらしい。 実装に使われたGo言語も含めて、全てしっかり実証された技術だけを使っているので、これはうまくいくだろうと思った。 しかし、たとえば、公開鍵暗号とか表計算のような、物の天才のヒラメキは感じない。誰でも思いつきそうだし、ちょっと腕

    Webの次はすでにいつでもそこにある - アンカテ
  • コンピュータシステムのサマータイム対応を巡る二つの楽観論 - アンカテ

    いきなり来年から日でサマータイムを導入するという話が出てきて、私には到底実現できない話としか思えなかったが、自民党の少なくとも一部の方々は気で考えているようだ。そもそも、私にはメリットがどこにあるのかわからないがそれは置いておいて、コンピュータシステム側の対応が非常に困難であるということを、なるべく一般の方にわかるように説明してみたいと思う。 5chとツィッターを眺めて見ると、同業者の人は私と同じ意見が多数であるように見えるが、一部楽観的に見ている方もいるのに驚いた。何事にもいろいろな見方があるので、賛否両論の意見があって議論していけばいいことではあるが、その楽観論を見ていると、全く違う立場の二種類の楽観論がある。何がなんでも自分の立場が正しいと主張する気はないが、この二種類の楽観論が絶対両立しないことは確かで、ここだけはハッキリしておかなければならないと強く言いたい。 最悪のケースは

    コンピュータシステムのサマータイム対応を巡る二つの楽観論 - アンカテ
  • 仮想通貨リテラシーで重要なのはブロックチェーンより公開鍵暗号 - アンカテ

    ビットコインにおける革新はPOWだ。しかし、ビットコインの中では公開鍵暗号という技術も使われていて、ユーザ側から見て重要で理解すべきなのはむしろこちらの方だと思う。 これはちょうど、自動車において、一般ユーザにとっては駆動系より電装系についての知識や常識の方が重要であることと似ている。 「エンジンがかからない」と言われたら、まずセルモーターが回っているのかそうでないのかを確認する。たいていの場合、エンジンの異常ではなくてセルモーターが回らなくてエンジンがかからないので、次にバッテリーが上がってないか確認するために、ライトやラジオをつけてみる。バッテリー切れなら、友達を呼んでブースターケーブルで電気を借りる。 つまり、通常よくあるトラブルに対処するのに必要なのは、電気系の知識だ。 バッテリーの問題ではなくて、格的にエンジンがおかしいとなれば、JAFか修理工場に電話する。つまり素人にできるこ

    仮想通貨リテラシーで重要なのはブロックチェーンより公開鍵暗号 - アンカテ
  • 将棋のソフト指しに見る逆転の構図 - アンカテ

    (2017/01/03 追記) この記事内の不正の有無に関する見解について私は後日考えを変えました。詳しくは下記の記事を参照ください。 将棋が強い人が正義でいい、当に強ければ - アンカテ (追記終わり) 最近、将棋観戦してて、解説者が変に弱気になっていると感じることがよくあります。 昔から、解説の棋士は、対局者より上位の人でも「これが正解の手で、はたして彼はこれを見つけられるか」というような解説はしませんでした。全身全霊をかけて盤の前で真剣に対局している人には、解説者は一定の敬意を持っていました。解説者は、聞き手の人に冗談を言ったり視聴者向けに基の手筋を説明したりして、番組を成立させる片手間で読んでいるのですから、対局者より多少棋力が上でも、「正解を知っているのは対局者二人」というスタンスで解説してました。 だから、「ここではAかBしかない」と言って、指されたのがCであっても、別に解

    将棋のソフト指しに見る逆転の構図 - アンカテ
  • イノベーションとは、昔の自分にうまく説明できないこと - アンカテ

    イノベーションとは、昔の自分にうまく説明できないことだ。2ちゃんねるやブログがその典型だ。最近それをやりはじめた人は当然そうだと思うが、パソコン通信とかやってた人でも、もし説明しようとしたら、過去の経験が邪魔になって、過去の自分はとてもおかしなものを想像してしまうだろう。 2ちゃんねるに批判的な人は、過去の自分に「なぜそれがそんなに問題なのか、危険なのか」を理解させることに苦労するだろう。「そんな掲示板があったら問題だと思うけど、そんなことはどうでもいいことだろう」と過去の自分が言うだろう。 おそらく、過去の自分は現在の自分と同じくらいの理解力と、ほぼ似たような好みを持っていると思うけど、誰にとっても、ブログや2ちゃんねるについて、現在の自分が持っているイメージを、過去の自分に与えることは困難なことだろう。 それは、イノベーションというものは、「体験」を与えるからである。現在の自分と過去の

    イノベーションとは、昔の自分にうまく説明できないこと - アンカテ
  • 今ここにある10年分の時間 - アンカテ

    otsuneさんの日記から 人文系の人たちにまず言いたい。はてなのスタッフには日語を書くよりもPerlのコードを書いてもらうほうが全体の幸せ度数は高くなると思う。 なるほど。 有限のクリティカルなリソースに常に着目していることが、よいハッカーの必要条件なのではないか。 そう考えるとRingo's Weblogの「ソフトウェアを書くことは、政治をすることである」という「対人能力」の意味がわかってくる。 つまり、チープ革命の中で、マシン、回線、ソフトが次々とコモディティ化していくと、最終的に貴重な資源として残るのは、ユーザの時間と開発者の時間であって、そのクリティカルなリソースを有効活用するアーキテクチャが正解ということになる。 メモリが貴重なリソースだった時は、スーパーハッカーと言えば、少ないバイト数に多くの機能を詰め込んだプログラムを書ける人だったわけだが、そういう人と「対人能力」の優れ

    今ここにある10年分の時間 - アンカテ
  • 非合理の置き場 - アンカテ

    皇位継承順位は、明解なロジックによって決まっている。「系図を木構造のデータとして与えて皇位継承順位順に対象者を表示する」なんて、プログラミングの練習問題としてちょうどよさそうだ。 しかし、そのロジックで選ばれた人がなんで特別の地位を継承するのかについては、合理的な説明はない。 このように、社会の中には論理的に仕組みを説明できる部分と、説明できずに「ただこうなっているからこうなってるんだ」としか言えない所がある。現代社会は、合理的に運営されているようで、実はたくさんの非合理な部分を持っている。 現代でもそうなのだから、古代社会、国家というものができる前の部族社会は、もっとたくさんの非合理があるような気がするが、中沢新一さんが言うには、どうもそうではないらしい。部族社会は、むしろ現代社会よりずっと合理的にできている。いろんなルールがUMLで書けそうなくらい論理的にできている。緻密で複雑であるが

    非合理の置き場 - アンカテ
  • Ethics on the edge of chaos -- 「カオスの縁」の倫理学 - アンカテ

    専門家が、自分の見た不確実性を正直に白状することを迫られている。 私が紹介した、不確実性・価値・公共性をめぐるリスクコミュニケーションの諸問題もそうだし、それに関して貴重な情報を提供していただいたswan_slabさんが遺伝子組み換えを礼賛する男という記事で取りあげている、遺伝子組み換え生物と生物多様性の問題もそうだと思う。 ライブドアのニッポン放送買収は、資主義の市場の論理と、放送の持つ公共性や日人の組織に対する感覚が葛藤を起こしていて、人権擁護法案の問題も法律論としての確実な論議の延長で、政治的、社会的問題が解決できるのかが問われている。 これらはどれも、「フレーミングの政治性」と「(カオス的)不確実性」がからんだ問題である。 フレーミングの政治性とは、平川氏の論文で問題とされているもので、専門家はある枠組みのもとで確実な因果関連を主張するが、その枠組みの正当性について考えない、そ

    Ethics on the edge of chaos -- 「カオスの縁」の倫理学 - アンカテ
  • github という公的なインフラを使うために必要なこと - アンカテ

    馬しか見たことない人に、これと自動車を両方見せて「どっちが欲しい」と聞いたら、どちらを選ぶだろうか? 理性的な人だったら、自動車が平らな道しか走れないことを一番気にするだろう。 ボストンダイナミクスの四足自走機械は、馬が走れる道ならほとんどそのまま進める。道が舗装されてなかったら、自動車で行ける範囲は当に限られている。どうみても、四足自走機械の方がずっと実用性が高い。 「道を舗装して、トンネルや橋を作って道を平らにすればいいんですよ」なんて言ったら、「たかが乗り物のためにどうしてそんな手間をかけなきゃいけない?」とあきれてしまうだろう。 私は、今、github を中心に仕事が回る職場で働いている。実際使ってみて、この github というものは非常に便利だと思うのだが、過去の自分にこれを勧めてみたらどういう反応するか想像してみると、これと同じ反応になると思う。 私が働きはじめたのはワープ

    github という公的なインフラを使うために必要なこと - アンカテ
  • ディープラーニングがもたらす横方向の格差拡大 - アンカテ

    グーグルAlphaGOという囲碁ソフトがトッププロに2連勝したことで、衝撃が走っている。 私は、囲碁については何も知らないし、ディープラーニングなどのAI技術についても野次馬的に見ているだけだが、いくつか思うことがあるので書いてみる。 AIは人間を上回るのか? 私は、AIについては単なる野次馬だが、年季が入った野次馬である。80年代から結構その手のは読んできた。今となっては、書いてあったことはほとんど覚えていないが、ひとつだけ印象に残っているのは、昔の研究者がやたら強気だったことだ。 「2001年宇宙の旅」には、HAL9000というAIだけではなくて、iPadのようなものも出てくる。あれは当にiPadによく似ていて、年代はずれてしまったが未来予測としてはよくできていると思う。それなのになぜAIだけやたら先走っていて、実際よりずっと賢いものになってしまったのかといえば、おそらく取材し

    ディープラーニングがもたらす横方向の格差拡大 - アンカテ
  • Bitcoinの何が革新的なのか? - アンカテ

    なんとなくbitcoinがわかったような気がしたので書いてみる。 「P2Pで取引のデータベースを管理する」と聞いて、最初に不思議だったのは、「なぜみんなそれに自分のコンピュータを提供するのだ?」ということだった。 多数のコンピュータで分散処理をしてDBを管理すれば、やり方によっては効率的で確実な管理ができることは想像がつくが、誰がそのコンピュータを提供するのだ? 金がからむとなれば、それは儲けようとしてやる以外に考えられない。 しかし、P2Pというのは、単なる分散処理ではなくて、身元保証の無い分散処理だ。ネットワークを構成するノードの大半のコンピュータの所有者は、どこに住んでいるか誰なのかわからない。それをわかるようにしたら登録制度が必要になり、その登録制度を運用し管理する主体が必要になる。そういうのは普通、P2Pとは呼ばない。 だから、P2Pという限りは、ノードの中に、インチキのプログラ

    Bitcoinの何が革新的なのか? - アンカテ
  • イノベーションのメインストリーム化という最強のほこ×たて - アンカテ

    ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025> ワークシフトというを読み始めましたが、評判通りいいだと思います。これから20〜30年の間に「仕事」というものがどう変わっていくか、広い視野で見通してよくまとめてあると思いました。 しかし、一方で、もし自分が10年後にこのをもう一度読んで再評価したら、たぶん、それほど納得しないだろうな、とも思いました。 それは、これから10年で自分の考え方や感じ方は、すごく変わるだろうなと予想するからです。 もし、今の自分が2012年をうまく総括したと思うを見つけて、タイムマシンで10年前の自分に送ったとしたら、10年前の自分には理解できないし納得できないでしょう。そのには、たとえばスマートフォンやタブレット等のモバイルデバイスの普及について書いてあると思いますが、10年前の自分は「アップルや携帯電話のことは後でいいから、それよ

    イノベーションのメインストリーム化という最強のほこ×たて - アンカテ
  • 連鎖するハッキングとしての歴史 - アンカテ

    当に「"つぶやき"では革命は起こせない」のか? - Future Insight ここで、id:gamellaさんは、マルコム・グラッドウェルの「"つぶやき"では革命は起こせない」という記事を紹介して、最後に軽く異議をとなえている。 これは、社会を見る二つの見方を象徴していると思う。それは、「抽象化」と「ハッキング」だ。 グラッドウェルは、FacebookやTwitterの細かい所にこだわらないで、「弱い絆」という概念で抽象化して、それを論じている。具体的な個別のサイトを直接論じるのではなく、ソーシャルメディア一般の機能として抽象化して考えることで、その限界を明らかにしている。 社会というのは複雑な現象だから、「抽象化」は大きな武器だ。 しかし、おもしろいのはここからで、「弱い絆」には「弱い絆」に非常に適した形の活用方法が多数存在する。例えば、骨髄移植の適格者が現れなかった場合、「○○を

    連鎖するハッキングとしての歴史 - アンカテ
  • 「弱い合意」の社会的機能 - アンカテ

    内田樹さんが、マスメディアの凋落というエントリで、新聞はインターネットに負けたのではなく自爆したのだ、という話を書いている。 新聞の凋落は、その知的な劣化がもたらしたものである。 きびしい言い方だけれど、そう言わざるを得ない。 新聞記事の書き手たちは構造的にある「思考定型」をなぞることを強いられている。 それは世の中の出来事は「属人的な要素」で決まるという思考定型である。 要するにこの世には「グッドガイ」と「バッドガイ」がいて、その相克の中ですべての出来事は展開しているので、誰がグッドガイで誰がバッドガイであるかを見きわめ、グッドガイを支援しバッドガイを叩く、ということを報道の使命だと考えているということである。 シンプルでチープな話型だが、現実にそういう話型に基づいて世の中の人の多くはふるまっているので、その話型で説明がつくことは少なくない。 「虚構が現実を圧倒する」ときには虚構に基づい

    「弱い合意」の社会的機能 - アンカテ
  • リアルの加速化からバーチャルのリアル化へ - アンカテ

    最初、印刷は筆写を加速したものに過ぎなかったけど、たくさんの印刷物が行き交うようになると、それが公共圏となり最終的に国民国家を生んだ。国民国家の中核には言論によって維持される「民族」という幻想があって、それは言論のプラットフォームが無いと維持できないものだ。 機械は、最初、その時存在するリアルを加速する為だけに使われるが、それが一般化して自律的に動きはじめると、それが今までとは別の形のリアルを生み出す。 コンピュータネットワークは、これまで、それ以前に存在したリアルを加速する為に使われてきたが、そろそろ、これまで存在しなかった別のリアルを生み出すフェーズに来ているのではないだろうか。 メールは文書による伝達を加速しただけのものだったから、「宛先」とか「送信元」とか「タイトルと文」とか「添付」とか「配信(配達)」とか、アナロジーで説明できたけど、twitterはそうではない。twitter

    リアルの加速化からバーチャルのリアル化へ - アンカテ
  • 原油高と同じくらい深刻な「ホワイトカラーの仕事破壊」 - アンカテ

    人は海外からやってくる危機には敏感に反応する。原油高とか円高とか新型インフルエンザとかはよく報道されるし、政府の対策が不適切だったら批判も高まる。 私は「成長戦略」として語られている問題も来は、そういう種類の問題だと思う。 しかし「成長戦略」という言葉はヌルい。ヌルすぎる。なんか、やってもやらなくてもどうでもいいけど、やるとちょっとボーナスが増えるみたいから、気がむいたらちょっとやってみるか、みたいな感じ。 当は、これは原油高に匹敵するような日にとって大きな問題だと思う。原油は間接的にあらゆる製品の材料になっているから、原油の高騰はどんな産業にとっても大問題だ。 それと同じように、今、ホワイトカラーの労働力の単価が急激に落ちている。日は直接間接にホワイトカラーの労働の成果を海外に売ってってる国だから、これは、逆に言えば、あらゆる資源が高騰しているということだ。 「成長戦略」と

    原油高と同じくらい深刻な「ホワイトカラーの仕事破壊」 - アンカテ