ゲノムと脳の関係は,私自身の興味でもあり,楽しく読めました. また,著者の宮川先生の研究で作成されている「網羅的行動テストバッテリー」は,私が大学院生だったか,助手時代だったか忘れましたが,参加させていただいた科学研究費の会議で,その話を拝見し「これはすごい!」と感動したのを覚えています.多くの発表が遺伝子ひとつに着目する中,「データを網羅的に取る」という意味の重要性を本当に理解している研究者なのだと,その時思いました. 本書の中は,ゲノムと行動の関係について,入門からスタートし,体験談を含めつつ,分かっている事を順に説明しています.前半が入門,中盤は23andmeによる検査の話を挟みつつ,後半はSNPs(一塩基置換)と行動に関して,分かっている事を列挙している形です.これから,まだまだ分かることは増えていくでしょうが,現時点でのパーソナルゲノム時代に向けて分かっている事を整理してある本と
![「こころ」は遺伝子でどこまで決まるのか―パーソナルゲノム時代の脳科学 (宮川 剛) - Loud Minority](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1d55014a9c42d31bcde64b9432b7c85bd5b908e5/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41MS40zALPL.jpg)