<「漢民族の援助なくして少数民族は生きていけない」と語るのはDV愛好者のような暴論だ> 世界的に注目されるようになった中国の内モンゴル自治区や新疆ウイグル自治区の民族問題。それらを取り上げる日本のメディアや「学者」も増えてきたが、現実離れした解説や政治的意図を持つ見解も多い。特に顕著なのが経済と結び付けた見解だ。 民族問題を経済と関連させ、経済的格差に問題の原因を求めようとする「識者」は、少数民族地域を貧しく、漢民族地域を豊かだとみているらしい。諸民族と漢民族との格差が解消されれば政治的な衝突もなくなる、と夢想している。 漢民族は伝統的に万里の長城以南と横断山脈以東の地に住んできた。現代中国の領土では4割を漢民族が占め、それ以外を諸民族の土地が占める。漢民族地域に資源は乏しく、レアメタルや石油、天然ガスなどはモンゴル草原と東トルキスタンから産出する。 漢民族は豊かになったが、それは諸民族の