世界を震撼させたロシアによるウクライナ侵攻が始まってから1ヵ月以上が経過した。開戦当初こそ、強大な武力を持つロシア軍の短期間での制圧が危惧されていたが、西側諸国の武器供与もあり、ウクライナ軍は徹底抗戦。戦闘は長期化の様相を呈している。 長引く一方のウクライナ戦争は、世界そして日本にどのような影響を与えるのか。2008年から2011年まで駐ウクライナ大使を務め、現在は日中経済協会理事長の伊澤正氏が分析する。 ※このインタビューは3月30日に実施しました。 ロシアへの制裁で日本企業にも影響が 「今回の侵攻が開始される数ヵ月前から、アメリカはロシア軍の動きについて、詳細なインテリジェンス情報を世界中に発信していました。当時、専門家の間では『攻め込むまでは至らないだろう』という見方が大勢でしたが、私はアメリカの動きを見ていて、侵攻は現実のものになると感じていました。実際に攻撃が始まり、現地から流れ