それでも判明できない理由 さて、先ほどのJohn The Ripperの結果だが6つのユーザーのパスワードのうち完全に復元することのできたものは、4つであった。「king」と「joker」のパスワードは、一部は復元されているものの、すべては判明していない。 このような場合は、残された手段は、総当たりという力技しかない。だが、John The Ripperの総当たりモードですべての文字種を試すとしてもいつまでに復元できるという保証はまったくないのである。 これがどの程度の計算量が必要なのかを見てみよう。アルファベットの大文字と小文字、数字、記号(スペースを含む)を使用している可能性があるパスワードで使用可能な文字種の数は、以下のようになる。 である。もはや、いくらか即答できない数字である。この数字に対して、1日に60億パターン試行できるとしても、すべてを試行するには3000年以上かかることに
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