東京メトロ銀座線青山一丁目駅で十五日、視覚障害者で盲導犬を連れていた品田直人さん(55)がホームから転落し、電車にひかれて死亡した。身近な駅に、どのような危険が潜んでいるのか。目が不自由で、白杖(はくじょう)を使う東京都盲人福祉協会の笹川吉彦会長(82)と一緒に十六日、現場を歩いた。 (谷岡聖史) ホームの幅は三メートル。壁が近く、圧迫感がある。電車が着くと、乗り降りの人で歩きづらい。電車のごう音で話し声も聞こえない。笹川さんが大声を上げた。「音が大きく響くから、電車がどっちから走ってくるのか分からない」 笹川さんは四十年ほど前、ホームから落ちたことがある。JR高田馬場駅で人混みに押され、足元のブロックを見失い、安全な場所に戻ろうとして、誤って線路側に足を踏み出してしまった。「発車直前で、もう終わりだと覚悟した」 この日の青山一丁目駅でも、サングラスをかけ、白杖を手に歩く笹川さんに気