ただ対話を続けることによって統合失調症などの精神疾患にめざましい効果をもたらし、国際的に注目されているケア手法「オープンダイアローグ(開かれた対話/Open Dialogue:OD)」。前編では、その特徴についてお伝えした。後編となる今回は、この手法による治験を国内で進めている筑波大学医学医療系保健医療学域社会精神保健学の斎藤環教授に、オープンダイアローグの統合失調症以外の精神疾患への適用や、社会での活用の可能性について聞く。 1対1のカウンセリングは「人工的で不自然な関係」 国内での普及に努め、研究を行っている筑波大学医学医療系の斎藤環教授は、これまでオープンダイアローグ(OD)による治験を約20例行っている。実費診療にも関わらず予約希望者が殺到しているため、対話療法10セッションを含む1クール限定で行っているのが現状だ。「15年に及ぶ幻聴があったある患者では、ODと並行して減薬を進めま