少子化が進むのは、若者が結婚しにくくなったからで、結婚しにくいのは、経済的に苦しいからである。しかし、そこからは目を逸らして、結婚できた人への支援をもっと手厚くすることで、出生を増やそうと考える。子育てが大変という声は大きいが、非正規でカネがない者が「結婚できるようにしてほしい」と主張したりはしない。的を外し続けるのは、政治的な理由がある。 ……… 異次元の少子化対策は、メニューが出揃い、財源論に移っている。非正規への育児休業の拡大は入っているようだが、注目を集めるのは、児童手当の拡大だ。高校生への拡大、第3子以上への増額、所得制限の撤廃と、必要な施策とは思うが、それで出生が大きく増えるかというと、望み薄だろう。今、子供を持つか決める立場からは、高校生手当は15年後であり、第3子以上は出生の2割足らずである。まして、保育の充実は目に見えない。 少子化を緩和するには、若者の認識を変えなければ