喫煙者が吸っているタバコの煙を間接的に吸い込んでしまう「二次喫煙」の健康への影響が問題となり、日本でも公共の場での「分煙」が進みつつある。しかし今、タバコの煙そのものを吸い込まなくても、部屋や衣服に染み付いた煙の成分を吸い込むことで健康被害の可能性があるとする「三次喫煙」という概念が注目されている。「三次喫煙」とは何か、その危険性や対策を、受動喫煙問題などに詳しい国立がん研究センターがん対策情報センターの吉見逸郎主任研究員に聞いた。 「三次喫煙」とは、どのような状況を指すのだろうか。吉見研究員はこう説明する。 「たばこを吸った部屋には、煙が残っていなくとも、家具や壁、衣服に付着する形で、煙の成分が残ります。付着する成分のうち、ニコチンは空気中の成分と反応し、ニトロソアミン類へと変化する。このニトロソアミン類の中には、発がん性物質も含まれています。そのため、部屋や衣服などに残ったこの成分を吸
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