徹夜した翌日、強烈な眠気に襲われるのはなぜなのか。 ヒトをはじめとする生物は、眠気と覚醒のバランスをうまく取りながら生命活動を維持している。だから、徹夜などで頑張って活動したあと、バランスを取るために眠気が引き起こされる。だが、頑張って起きていた分と眠気がどのようにカウントされてバランスが取られるのか、よくわかっていなかった。 また、睡眠物質が何なのかについても、長い間謎に包まれていた。これまでにも睡眠物質と思われるものは幾度か見つかったものの、関連する遺伝子をなくしたマウス実験などでもあまり眠りは変わらず、明確な答は見つかっていなかった。 通説とはまったく逆だった 今回、東京大学大学院医学系研究科の上田泰己教授(理化学研究所生命システム研究センター細胞デザインコア長を兼任)らのグループが、この睡眠と覚醒の制御にカルシウムイオンが重要な役割を果たしていることを明らかにした論文を著わし、米国
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