都市は人を惹きつける。整備されたインフラがもたらす快適な生活、次々にもたらされる新たな出会い、世界に解き放たれる前の情報など、都市にはヒト・モノ・カネ・情報の全てが潤沢に存在しているのだから、都市への集中は当然の成り行きとも思える。事実、1950年に30%だった都市化人口率は現在50%にまで増加しおり、国連の予測では2050年には70%近くにまで及ぶという。 もちろん、都市にはメリットだけでなく、希薄な人間関係や経済格差などのデメリットも存在するのだが、都市化の流れは強力なものだ。 このように「陰」と「陽」の面を併せ持つ都市は、どのように誕生したのか。本書『都市の起源 古代の先進地域=西アジアを掘る』(講談社選書メチエ)では、世界最古の都市が誕生した約5300年前の西アジアに焦点を当てることでこの問いに答えを出していく。 考古学的手法で世界最古の都市を分析することで、その誕生過程を「流れ」
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