前回のエントリーで、ベーシックインカム(ベーカム)と同様の試みとして、産業革命勃興期(1795~1834年)にイギリスで実施されたスピーナムランド法を紹介した。1200字のコラムでは細かなことまで説明できないので、すこし追記しておきたい。 市場の拡大とともにイギリス社会がはじめて体験した「貧困」という問題に対処するため、「貧困者一人ひとりの所得に関係なく最低所得を保障する」という制度が導入された。スピーナムランド法は、自由経済のもとで、現金給付によって貧困問題を“最終解決”しようとするとなにが起きるのかの壮大な社会実験だった。 この所得保障制度は厳密にはベーカムとは異なるが、ひとは同じような経済的インセンティヴ(働かなくても食べていける)に対して同じような反応をするとすれば、結果もおそらく似たようなものだろう。「スピーナムランド法は大失敗したが、ベーカムならうまくいく」という説得力のある説
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