レディオヘッドのような一部の例外を除けば、人々に末永く愛されるタイムレスな歌声と、従来のファンをあっと驚かせる音楽的冒険、そしてセールス面での成功をトリプルで実現させるのは至難の業。それも、楽曲やアルバムの消費サイクルが早まっている現代においてはなおさらでしょう。ところが、USノースカロライナ州アシュヴィルを拠点に活動するシンガー・ソングライター、エンジェル・オルセンは、このたび初めて日本盤がリリースされた最新作『My Woman』で、そんなウルトラCをあっさりと成功させてしまいました。プラチナ・シルヴァーのウィッグに、どこかレトロなヘッド・マイクをしたリード曲“Intern”のトレイラー映像を観たファンからの〈イメチェンにも程があるだろ!〉という不安の声も何のその。本作はPitchforkをはじめ欧米メディアの年間ベスト企画で軒並み上位に選出されるなど、彼女のキャリアにおいて最高傑作とい