警戒し、耳羽を逆立てて今にも飛び立とうとするメスのシマフクロウ。2008年3月。(Photograph by Jonathan C. Slaght) 極東ロシアの森の奥、倒木に腰かけたラダ・サマック氏は、フクロウの鳴き声が聞こえるのを待っていた。 たそがれ時になって、とうとうその声が聞こえた。絶滅危惧種、シマフクロウの二重唱だ。 耳に残るこの二重唱は、つがいの絆を深める役割を果たしており、長いときには2時間も続く。まるでオスの「ここにいるよ」という呼びかけに、メスが一段低い声で「私もここよ」と答えているかのようだ。 シマフクロウは、翼を広げた幅が1.8メートルにもなる、世界最大級のフクロウだ。濃い黄色の目と目立つ羽角で知られるこの猛禽類は、極東ロシアから北海道にかけて生息し、老齢樹のうろに巣を作る。 シマフクロウの英名Blakiston's fish owlや学名Bubo blakisto
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