小説、漫画、アニメなどさまざまなかたちで、世界中で愛されている『ムーミン』。その作者であるフィンランドの作家 / 画家、トーベ・ヤンソンはどんな想いでこの物語を生み出したのだろう。 トーベが有名になる前夜にスポットを当てた映画『TOVE/トーベ』では、等身大のトーベが描き出されている。著名な彫刻家だった父親との対立、舞台演出家だったヴィヴィカ・バンドラーとの恋愛など、トーベはさまざまな葛藤を乗り越えて、アーティストとしてのアイデンティティーを見つけ出していく。監督を務めたのはフィンランド出身の女性監督、ザイダ・バリルート。映画のリサーチをするなかで、トーベに対する印象が大きく変わったという彼女に話を訊いた。 トーベ・ヤンソンの有名になる前の日々に光を当てた理由 ―映画『TOVE/トーベ』はトーベを身近に感じることができる作品でした。彼女の無名時代に焦点を当てたのはどうしてですか? バリルー