李琴峰『言霊の幸う国で』刊行記念イベントとして、7月26日にプライドハウス東京で行われた李琴峰と高井ゆと里の対談を一挙掲載。 李 今回、『言霊の幸う国で』という五〇〇ページ超、原稿用紙一〇〇〇枚近い鈍器本を出しました。これだけ長い本を書いたのも、こういうテイストで書いたのも初めてでしたし、こうして日本のクィア・コミュニティ限定で、この場所でイベントをやるのも初めてです。 高井 こういうイベントをやるのは大抵書店さんだもんね。プライドハウス東京でやると聞いたとき、面白いなと思いました。 李 クィア・コミュニティとのつながりは大事にしたいと思っているんです。 もうこの本を読んだという方も、まだ読んでないという方も、読んでいる途中という方もいらっしゃると思いますが、一言で言うと、めちゃくちゃ重い本です。物理的にも内容的にも(笑)。 ざっと概要を言うと、二〇二一年の七月に芥川賞を受賞した、Lこと柳