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ブックマーク / www.webchikuma.jp (89)

  • 百年後の誰かも読む本|単行本|後藤 正文|webちくま

    7月に刊行された柴崎友香『百年と一日』について、ミュージシャンの後藤正文さんにエッセイを書いていただきました。 音楽家であり、短編小説も書かれる後藤さんは作をどう読んだのか? ぜひともお読みください! (PR誌『ちくま』2020年8月号からの転載です) 文章は紙に印刷できるところがうらまやしい。 俺が生業にしている録音された音楽歴史は、文字が石に刻まれたり紙に書かれたりしてきた歴史よりも圧倒的に短く、長くみても百五十年には届かない。 一世を風靡したと言っていいCDという音楽用のメディアも現在では風前の灯火で、レコード盤で音楽を聴く好事家が若者たちの間でも増えているという話もあるけれど、全体で見れば配信が主流になった。音楽には紙のような確固たるメディア=容れ物がなくなってしまったと言える。 そうなると表現物としての強度が落ちる。 何をもって強度とするのか。そうした疑問を持つ人がいるだろう

    百年後の誰かも読む本|単行本|後藤 正文|webちくま
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    kiku72 2024/03/14
  • 【第165回】大阪万博を中止にすべき、これだけの理由|世の中ラボ|斎藤 美奈子|webちくま

    ただいま話題のあのニュースや流行の出来事を、毎月3冊の関連を選んで論じます。書評として読んでもよし、時評として読んでもよし。「を読まないと分からないことがある」ことがよく分かる、目から鱗がはらはら落ちます。PR誌「ちくま」2024年2月号より転載。 2025年4月から半年にわたって開催される予定の大阪・関西万博(以下大阪万博)に大逆風が吹いている。 まず工事の大幅な遅れである。 予定では大阪湾の人工島・夢洲に150余りの国と地域が結集し、円周2キロの大屋根の下に100を超えるパビリオンが並ぶことになっていた。うち60は参加国が自前のデザインで建設費も負担する「タイプA」の予定だったが、23年9月の時点で工事を申請した国はわずか2か国。焦った日国際博覧会協会(万博協会)は代替案として各国にプレハブの建設を肩代わりする「タイプX」を提案するも、こちらの申し込みも限定的。24年1月10日現

    【第165回】大阪万博を中止にすべき、これだけの理由|世の中ラボ|斎藤 美奈子|webちくま
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    kiku72 2024/02/13
  • 序章 在宅介護を続けるべきか不安です|マンガ認知症2|ニコ・ニコルソン,佐藤 眞一,小島 美里|webちくま(1/3)

    宮城県山元町出身のマンガ家・イラストレーター。 東日大震災で実家が全壊し、女三代で建て直すまでの道のりをコミックエッセイ『ナガサレール イエタテール』(太田出版)で描く。 その後、祖母が認知症を発症。建て直した家での介護生活の様子は、『婆ボケはじめ、犬を飼う』(ぶんか社)、『わたしのお婆ちゃん』(講談社)に描かれている。 http://nico.nicholson.jp/ 大阪大学大学院人間科学研究科臨床死生学・老年行動学研究分野教授を定年退職し、現在は大阪大学名誉教授、大阪府社会福祉事業団特別顧問。博士(医学)。 認知症を心理的な面から研究しつづけ、日老年臨床心理学会理事、日老年社会科学会理事、日応用老年学会理事、長寿科学振興財団理事などを務める。元日老年行動科学会会長。 著書に『認知症 「不可解な行動」には理由がある』(SB新書)、『認知症の人の心の中はどうなっているのか?』

    序章 在宅介護を続けるべきか不安です|マンガ認知症2|ニコ・ニコルソン,佐藤 眞一,小島 美里|webちくま(1/3)
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    kiku72 2024/02/02
  • 久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について 蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第17回を「ちくま」1月号より転載します。昨秋に開催された小津安二郎生誕百二十周年のメモリアル・イベントは、なぜ失望のうちに終わってしまったのか。その二十年前、著者自身も深く関わった生誕百年・没後四十年の記念イベントとの違いを思い起こします。ご覧下さい。 なかには例外的に聡明な個体も混じってはいるが、これからこの文章を書こうとしているわたくし自身もその一員であるところの人類というものは、国籍、性別、年齢の違いにもかかわらず、おしなべて「愚かなもの」であるという経験則を強く意識してからかなりの時間が経っているので、その「愚かさ」にあえて苛立つこともなく晩期高齢者としての生活をおしなべて平穏に過ごしている。ところ

    久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
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    kiku72 2024/01/23
  • 見えない冠を戴く少女|ちくま文庫|山崎 まどか|webちくま

    「伝説の作家」野溝七生子(のみぞ・なおこ)の自伝的長篇『山梔』(くちなし)。長らく復刊が待たれていた作について、山崎まどかさんにエッセイを書いていただきました。今なお読む者を惹きつける作、そして主人公の阿字子(あじこ)の魅力はどんなものなのか。ぜひお読みいただければ幸いです(PR誌『ちくま』2024年1月号から転載)。 「山梔」は少女の慟哭で出来ている。 伝説の作家、野溝七生子の最初の小説で、自伝的な作品だ。彼女が東洋大学に在籍していた頃に福岡日日新聞の懸賞小説の応募作品として書かれ、名だたる審査員から「推奨」作品として選出された。1924年のことである。 主人公の由布阿字子は明治の厳格な軍人の家に生まれた。書物が好きで、ギリシア神話に耽溺する変わり者の少女は、この家では異端の存在だ。彼女は父親から抑圧され、虐待を受ける。暴力の描写には息がつまる。少女を蹴り、胸を踏みつける軍人のブーツ

    見えない冠を戴く少女|ちくま文庫|山崎 まどか|webちくま
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    kiku72 2024/01/12
  • 第11回 「イエロー・マジック」との闘い(その6)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま

    比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家、坂龍一。その多面的な軌跡を「時代精神」とともに描き出す佐々木敦さんの好評連載、第11回の公開です! 1 カンヌ国際映画祭、ベルトルッチ監督との出会い 『戦場のメリークリスマス』は、1983年の1月半ばに完成し、同年5月末に予定された、この種の芸術映画としては大規模な全国公開に向けて、宣伝チームが動き始めた。その際にもっとも重視されたのが、公開直前に開催されるカンヌ国際映画祭への出品である。大島渚監督は前作『愛の亡霊』(1978年)でこの映画祭の監督賞を受賞しており、カンヌの最高賞であるパルム・ドールの受賞は悲願でもあった。 書籍『『戦場のメリークリスマス』知られざる真実 ――『戦場のメリークリスマス30年目の真実』完全保存版』(WOWOW「ノンフィクションW」取材班/吉村栄一)には、当時の関

    第11回 「イエロー・マジック」との闘い(その6)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま
    kiku72
    kiku72 2023/12/26
    最終回と。ログは非公開で書籍化かな
  • 第10回 「イエロー・マジック」との闘い(その5)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま

    比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家、坂龍一。その多面的な軌跡を「時代精神」とともに描き出す佐々木敦さんの好評連載、第10回の公開です! 『テクノデリック』のリリースは1981年11月21日だが、坂龍一はその直前の11月4日に単独ライヴを行っている。タイミングとしては『左うでの夢』発売記念だが、ライブ・バンドの名前は「B-2 UNITS」だった。ロビン・トンプソン、沢村満(細野晴臣がアルファ内に設立したYENレーベルから、日向大介、野中英紀らとのアンビエント・ポップ・バンド、インテリアとして82年にデビュー)、立花ハジメ(プラスチックスを脱退したばかりだった)の3人がサックス、どんべいこと永田純(板倉文と小川美潮を中心とするニューウェーブ・バンド、チャクラのメンバー)がベース、鈴木さえ子(松尾清憲らとのシネマが解散した直後だっ

    第10回 「イエロー・マジック」との闘い(その5)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま
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    kiku72 2023/12/19
    “、第10回の公開です! ”
  • 第9回 「イエロー・マジック」との闘い(その4)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま

    比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家、坂龍一。その多面的な軌跡を「時代精神」とともに描き出す佐々木敦さんの好評連載、第9回の公開です! 1981年、イエロー・マジック・オーケストラは3月に『BGM』、11月に『テクノデリック』という2枚のフル・アルバムをリリースした。どちらも以前の作品とは一線を画す実験的な内容であり、坂龍一が「反・YMO」の衝動に突き動かされて作り上げた『B-2ユニット』が、はからずも細野晴臣と高橋幸宏の創作意欲を刺激したのではないかと思われる(二人は「ほとんど何も言わなかった」と坂は語っているが)。 前年(1980年)の7月、ホライズン・レーベルの倒産のせいで宙に浮いていた『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』と『増殖』からセレクトされた「ベスト盤」の『X∞MULTIPLIES』と、シングル「ビハインド・

    第9回 「イエロー・マジック」との闘い(その4)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま
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    kiku72 2023/11/24
  • 第8回 「イエロー・マジック」との闘い(その3)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま

    比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家、坂龍一。その多面的な軌跡を「時代精神」とともに描き出す佐々木敦さんの好評連載、第8回の公開です! 1 苦肉の策から生まれた『増殖』 1980年6月、イエロー・マジック・オーケストラは通算4枚目に当たるアルバム『増殖 - X∞ Multiplies』をリリースした。収録時間は30分弱、全12曲(トラック)収録だが、そのうちの5曲が後述する「SNAKEMAN SHOW」であり、イントロ/アウトロも加えると、純粋な楽曲は「NICE AGE」「TIGHTEN UP」「CITIZENS OF SCIENCE」「MULTIPLIES」の4曲に過ぎない。「TIGHTEN UP」はカヴァーなので新曲と呼べるのはたったの3曲である。それもそのはずで、「NICE AGE」と「CITIZENS OF SCIENC

    第8回 「イエロー・マジック」との闘い(その3)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま
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    kiku72 2023/11/09
    “第8回”
  • 第7回 「イエロー・マジック」との闘い(その2)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま

    比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家、坂龍一。その多面的な軌跡を「時代精神」とともに描き出す佐々木敦さんの好評連載、第7回の公開です! 1 フュージョンの洗礼 まず、フュージョンについて考えてみなくてはならない。 YMOの世界進出のきっかけとなったイベントの名称は「フュージョン・フェスティバル」だった。そこに出演するためにアメリカからやってきたニール・ラーセンはジャズ/フュージョン系のキーボーディストであり、ラーセンとともに来日したトミー・リピューマもフュージョンにカテゴライズされるアーティストを数多く手がけてきたプロデューサーだった。フュージョンとは「融合」という意味だが、ジャズをベースに、ロックやポップス、イージー・リスニング、ディスコ、ラテン、レゲエなど多彩な要素を融合させた、基的にはライトな音楽で、当時はクロスオーバー

    第7回 「イエロー・マジック」との闘い(その2)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま
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    kiku72 2023/10/26
  • 第6回 「イエロー・マジック」との闘い(その1)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま

    比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家、坂龍一。その多面的な軌跡を「時代精神」とともに描き出す佐々木敦さんの好評連載、第6回の公開です! 1 「伝説のこたつ集会」 「かくいう私もイエロウ・マジックを身につけるべく、日夜戦いつづけているのだ」。細野晴臣が坂龍一の『千のナイフ』のライナーノートにこう書きつけた時、イエロー・マジック・オーケストラのファースト・アルバムのレコーディングはすでに開始されていた。前にも触れたように、1978年4月にリリースされた「トロピカル三部作」の三作目、細野晴臣&イエロー・マジック・バンド名義の細野のソロ・アルバム『はらいそ』に収録されている「ファム・ファタール~妖婦/FEMME FATALE」の演奏は細野と坂龍一、高橋幸宏の三人で行われており(このアルバムで三人の演奏はこの曲のみ)、この録音の際に細

    第6回 「イエロー・マジック」との闘い(その1)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま
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    kiku72 2023/10/12
    “1 「伝説のこたつ集会」”
  • 二十一世紀の日本の首都に於ける超高層ビルの林立はその国の凋落を予言しているように思えてならない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第15回を「ちくま」9月号より転載します。延々とつづく渋谷駅周辺の再開発。東横線の地下化はじめ誰も便利になったとは思っていないはずの一連の大工事は都市再開発法によると「公共の福祉に寄与することを目的とする」そうなのだが、当に? との疑問についてお話しさせていただきます。 避けようもない暑い日ざしを顔一面に受けとめながら、タワーレコードの渋谷店で購入した海外の雑誌を手にしてスクランブル交差点にさしかかると、すんでの所で信号が赤となってしまう。階段を降りて地下の通路に向かう方法もあるにはあったが、年齢故の足元のおぼつかなさから灼熱の地上に立ったまま青信号を待つことにしていると、いきなり、かたわらから、女性の声がフランス語で響いてくる。ふと視線を向けると、「そう、シブーヤは素晴らしい」と「ウ」の部分をアクセントで強調しながら、スマホを顎のあたりにあてた外

    二十一世紀の日本の首都に於ける超高層ビルの林立はその国の凋落を予言しているように思えてならない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
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    kiku72 2023/09/23
  • 『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』解説|ちくま新書|白井 聡|webちくま

    ナンシー・フレイザー『資主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』(ちくま新書)より、同書に収録されている白井聡さんによる解説を公開します。書が「資主義社会の質を理解するための第一級の文献」と言えるのはなぜなのか。「共喰い資主義」の実態を暴く世界的政治学者の話題作を読み解きます。ぜひご一読ください。 まず第一に言わねばならないのは、ナンシー・フレイザーによる書は近代資主義社会、その質を理解する上で、きわめて重要な、第一級の文献であることだ。筆者はこのことを深く確信する。 筆者自身のものを含め、近現代の資主義の危機、いやもっと正確に言えば、危機を内在的にはらんでいる資主義の構造を分析する言説は国内外に多数ある。そのなかでも書は、資主義社会の矛盾の全体性、全般性を、その歴史的変遷、転位を含めて鮮やかに図式化した点において、際立っている。現代の課題を考察する上で、最良の文献の地

    『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』解説|ちくま新書|白井 聡|webちくま
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    kiku72 2023/09/07
  • 第3回 「教授」以前の彼(その2)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま

    比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家、坂龍一。その多面的な軌跡を「時代精神」とともに描き出す佐々木敦さんの好評連載、第3回の公開です! 1 4週間続いた新宿高校でのストライキ 新宿高校時代の有名なエピソードに、坂龍一が中心となって行なった「ストライキ」がある。 3年生の秋ごろ、新宿高校でストライキをやりました。69年の秋ですから、当時としては遅い方なんですが、安保条約とかベトナム戦争とか、そういう一般的な問題ではなくて、ローカルな、学校の個別課題に関しての運動でした。たしか具体的な要求を7項目、学校に突きつけました。制服制帽の廃止、すべての試験の廃止、通信簿の廃止、等々。(『音楽は自由にする』) このときのことは、「3バカトリオ」の塩崎恭久と馬場憲治の対談「革命同志・坂龍一を偲ぶ」(『文藝春秋』2023年6月号)でも語られて

    第3回 「教授」以前の彼(その2)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま
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    kiku72 2023/08/10
  • 「死にたいと言う人はどうせ自殺しないから放っておいても大丈夫」は本当か?|ちくまプリマー新書|末木 新|webちくま

    「死にたいと言う人は構ってほしいだけで自殺しないから大丈夫」といった話を聞いたことがないだろうか。しかし著者が「死にたい」とTwitterに投稿する人の実態を調べると……『「死にたい」と言われたら――自殺の心理学』より文の一部を公開! 可視化された「死にたい」 皆さんは、Twitterで「死にたい」と検索したことがあるでしょうか?  必ずしもTwitterでなくても良いですが、TwitterなどのSNS上には「死にたい」という声があふれています。検索をしてみれば一目瞭然で、この原稿を書いている今も、そしてこの原稿が読まれている時も、おそらくは変わらず、多くの人が「死にたい」とつぶやいているはずです。 「死にたい」にはもちろん、さまざまな意味があります。どのような意味でこの言葉を発しているかは、ケースバイケースです。かなり深刻に自殺を考えており、具体的な自殺の手段まで準備している場合もあれ

    「死にたいと言う人はどうせ自殺しないから放っておいても大丈夫」は本当か?|ちくまプリマー新書|末木 新|webちくま
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    kiku72 2023/07/29
  • 第66回「3日に1度交換」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま

    ライブとロケの遠征で、初めて5日連続で違うホテルに宿泊した。いずれも何の変哲もないホテルだったが、これがまあ楽しかった。昔から毎日同じ場所に帰ることほどアホらしい行為はないと思っているので、仕事という正当な理由で今日は〜のホテル、といって寝床を転々とできるのは、私にとってはとびきりのご褒美であった。 まず、朝目が覚めて脳が完全に起きるまでに「ここどこやっけ」と考えるあの数秒がなんとも心地良い。そこからもぞもぞと体勢を変え、横を向いたりうつ伏せになったりすると、わざとらしいほど純白のシーツが視界に入る。頬が緩む。今日限りの知らないシーツだ。足でいくら壁に追いやろうと、わずかにベッドの下に落ちていようと、ああシワになる、汚れる、などと考えなくていい。どうであっても知らない、だってここは知らない場所だから。大きな窓を開ける。知らない景色が広がっている。もちろん安全が確約されている場所がゆえなのは

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    kiku72 2023/07/29
  • 〈4〉 結婚に向いていない人しか好きになれません|あなたの悩み、世界文学でお答えします。|堀越 英美|webちくま

    「恋のツラみ」から「職場でのつまずき」まで、現代人のお悩みに、世界文学のあの作品この作品を紹介しつつ、キリッと答えていく堀越英美さんの好評連載。第4回のお悩みは…… 【お悩み】 早く結婚したいと思っていますが、好きになる人が、ことごとく結婚に向かないタイプの異性ばかりです。穏やかで堅実な人と結婚すれば幸せになれるとわかっていますが、そういう人では物足りないのです。 【お答え】 『嵐が丘』を読んで自分の恋愛をパターン分析してみよう。 ◆ 「あいつだけはやめときな」的恋愛の3大パターン 「あいつだけはやめときなって……」と周囲から言われるような相手にのめり込む恋愛には、大きく分けて3つのパターンがあるように思う。 ①ダメな人の世話を焼くことで自分の存在価値を感じている ②いつも自分を抑えて生きているので、やりたい放題の傲慢な強者に憧れてしまう ③性格が悪くて人付き合いが苦手なので、自分と同じよ

    〈4〉 結婚に向いていない人しか好きになれません|あなたの悩み、世界文学でお答えします。|堀越 英美|webちくま
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    kiku72 2023/07/29
  • 第2回 「教授」以前の彼(その1)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま

    比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家、坂龍一。その多面的な軌跡を「時代精神」とともに描き出す佐々木敦さんの好評連載、第2回の公開です! 坂龍一は、1952年1月17日、東京都中野区に生まれた。父親は河出書房/新社の文芸編集者だった坂一亀、母親は帽子デザイナーの坂敬子。龍一はひとりっ子である。 両親と幼少時の思い出を坂龍一は何度か語っている(『音楽は自由にする』2009年、『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』2023年、吉村栄一が坂に長期間にわたりインタビュー取材を行って著した『坂龍一 音楽歴史』2023年、など)。 1 近くて遠い存在だった父親 三島由紀夫の『仮面の告白』(1949年)を始めとして、埴谷雄高、高橋和巳、野間宏、椎名麟三、井上光晴、中村真一郎、小田実、丸谷才一、いいだ・もも、辻邦生など戦後文学の重要作

    第2回 「教授」以前の彼(その1)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま
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    kiku72 2023/07/20
  • 第1回 はじめに――「坂本龍一」と私|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま

    比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家、坂龍一。その多面的な軌跡を「時代精神」とともに描き出す佐々木敦さんの新連載、始まります。 2023年4月2日日曜日の夜9時過ぎ、私は新宿某所で夕を摂っていた。 ふとスマートフォンに目をやると、契約しているニュース・アプリから通知が届いていた。そこには「坂龍一の死」が報じられていた。私はスマホから一瞬目を逸らし、小さく深呼吸をしてからもう一度、その画面を凝視した。 見間違いではなかった。坂龍一が、坂さんが、逝ってしまった。記事には数日前の3月28日に亡くなったとあった。享年71。がんとの闘病が伝えられていたとはいえ、早過ぎる死というほかない。私は突然の訃報に接した動揺と、ずいぶん前から覚悟していた時がいよいよ訪れたのだという、どこか穏やかでさえある気持ちの両方を感じていた。不思議なほど

    第1回 はじめに――「坂本龍一」と私|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま
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    kiku72 2023/07/13
  • File106. しなくていいかもしれないことに想いをよせる本|昨日、なに読んだ?|有村 崚|webちくま

    紙の単行、文庫、デジタルのスマホやタブレット、電子ブックリーダー…かたちは変われど、ひとはいつだってを読む。気になるあのひとはどんなを読んでいる? 各界で活躍されている方たちが読みたてホヤホヤをそっと教えてくれるリレー書評。今回のゲストは、in the blue shirt 名義で活躍の場を広げる音楽家、有村崚さんです。4月から京都精華大学の講師に就任し、キャリアにも大きな変化があったタイミングで考えていたこととは? 今年の3月いっぱいで、新卒から働いていた仕事をやめた。学生なら学校、会社員なら会社。良くも悪くも、我々には日々行かなければいけない(とされている)ところがある。いささかモラトリアムに傾倒しすぎた大学生活を除けば、自分はこれまでその義務のようなものになんとか適応してきたわけである。しかしながら、あくまで自分の意志で選んだはずなのに、時折選択の余地なく与えられたハムスター

    File106. しなくていいかもしれないことに想いをよせる本|昨日、なに読んだ?|有村 崚|webちくま
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    kiku72 2023/06/28