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第2回 「教授」以前の彼(その1)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま
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第2回 「教授」以前の彼(その1)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま
比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家... 比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家、坂本龍一。その多面的な軌跡を「時代精神」とともに描き出す佐々木敦さんの好評連載、第2回の公開です! 坂本龍一は、1952年1月17日、東京都中野区に生まれた。父親は河出書房/新社の文芸編集者だった坂本一亀、母親は帽子デザイナーの坂本敬子。龍一はひとりっ子である。 両親と幼少時の思い出を坂本龍一は何度か語っている(『音楽は自由にする』2009年、『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』2023年、吉村栄一が坂本に長期間にわたりインタビュー取材を行って著した『坂本龍一 音楽の歴史』2023年、など)。 1 近くて遠い存在だった父親 三島由紀夫の『仮面の告白』(1949年)を始めとして、埴谷雄高、高橋和巳、野間宏、椎名麟三、井上光晴、中村真一郎、小田実、丸谷才一、いいだ・もも、辻邦生など戦後文学の重要作