日本の合計特殊出生率が途上国水準の4以上から先進国水準の2前後まで落ちたのは第二次世界大戦の直後であり、本格的な経済発展が始まる前であり、高度成長よりも前だった……という基本的なデータを押さえていないと、少子化の議論はとんちんかんなものになります。 通説では「経済的に豊かになることで生活スタイルが変わった結果、少子化が起きた」と説明されがちです。しかし日本や他の多くの途上国で起きた少子化は、この通説とは真逆でした。むしろ、経済発展よりも先に少子化が生じています[1]。この時間差を鑑みれば、少子化は経済発展の結果とは言えません。 私の考えでは、少子化は経済発展の結果ではなく、むしろその原因の1つだと思っています。子育てに割かれる人的リソースが削減された結果、労働者はより多くの時間を生産活動や技能習得に割り振ることができるようになったはずです。高度成長には様々な要因がありますが、少子化もその1
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