「仕事が全然終わらないので、今日もまた残業か」。こんな思いを抱きながら、働いている人も多いだろう。だが、「すき家」の労働問題で注目されたように、月の労働時間が500時間にも達するような事態になれば、体を壊してしまうかもしれない。また、タイムカードもなく、労働時間の管理があいまいな場合、残業代がきちんと支払われないこともある。度を超えた長時間労働や残業代の不払いが発生した場合、どう対処すればいいのだろうか。大阪で過労死や過労自死(自殺)の問題にとりくむ波多野進弁護士に聞いた。(取材・構成/杉田米行) ●「日本では労働基準法が無視されることが多い」 ――なぜ残業代の不払いや労災といった問題が起こるのか? 「労働者に働いてもらったら、企業が決められた賃金を支払う。そういう当たり前のことが守られていないのが、根本的な原因です。日本には『労働基準法』という素晴らしい法律があるのに、それが無視されてい