茨城県は5日、今月1日に平潟漁業協同組合(北茨城市)が日立市沖で採取した底魚「エゾイソアイナメ(ドンコ)」から、国の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える放射性セシウム(同540ベクレル)が検出されたと発表した。同県で基準値を超える放射性物質が検出された魚介類はコウナゴ(イカナゴ)以来、2種類目となる。 県は同日、関係市町村や漁業団体に対し、県内海域で漁獲したエゾイソアイナメについて出荷・販売を自粛するよう要請した。 県漁政課によると、震災以降のエゾイソアイナメについては、5月6日に鹿嶋市沖で採取したもので、同224ベクレルと基準値を下回ったことがある。 エゾイソアイナメはチコダラ科の底魚で、函館以南の太平洋岸数十メートルの沿岸域に生息。茨城県での漁獲量は平成22年で約2万1千キロ。魚の内臓もぶつ切りにしたみそ汁「ドンコ汁」などで親しまれている。