足立区が不名誉な記録を返上した。昨年の区内の刑法犯認知件数(速報値)は三十七年ぶりに一万件を下回り、二年ぶりに都内ワーストを脱却したと、区が十日発表した。自転車盗の件数を大幅に減らしたためで、区の担当者は重点目標の達成に「ほっとした」と安堵(あんど)の表情。新たなワーストは新宿区になった。 (土屋善文) 足立区によると、昨年の刑法犯認知件数は九千百四十一件。前年の一万三百六十三件から千二百二十二件減った。区内の件数は二〇〇六~〇九年まで都内でワーストだった。一〇年に一度脱却したが、一一年に再びワーストに逆戻り。このため、区は治安対策に力を入れてきた。 特に自転車盗対策に力を入れた。区民の自転車の鍵を防犯性の高いシリンダー錠に無料交換する取り組みや、区営駐輪場などで無施錠の自転車に区職員が勝手に鍵をかける「愛錠ロック大作戦」などを展開。昨年の自転車盗の認知件数は二千八百二十八件で、前年に比べ