【北京・工藤哲】北京市当局が、日本人作家の文学作品や日本関連の書籍の出版・販売を禁止する趣旨の通知を市内の複数の出版社に出していたことが日中の出版関係者の話で分かった。日本政府による沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化を巡る日中関係の悪化が背景にあるとみられる。しかし北京市内の一部の書店では日本関連書籍は通常通り売られており、ネット通販も利用できることから現時点での影響は限定的とみられる。 関係者によると、通知があったのは11日の国有化の直後と15日前後の2回。口頭で、日本人作家による著作や中国人作家の日本をテーマにした書籍、日本で出版されている本を中国語に訳した作品が禁止対象との趣旨が伝えられたという。日本の出版関係者によると「中国指導部が世代交代する共産党大会が終われば禁止は解かれる」との情報もあるという。 ただ、日中間で民間交流事業停止などが相次ぐ中、通知の影響が他地域に広がる可