「新株予約権を付与する代わりに、大学の知的財産権を包括的に譲り受ける」 2018年5月、あるベンチャー企業が国立大学である筑波大学と異例のスキームを構築した。 その企業は、ピクシーダストテクノロジー株式会社。あの落合陽一氏がCEOを務めるベンチャー企業だ。 大学の知財などを活用してR&Dを推進したいベンチャー企業、知財を新株予約権に置き換えることで運用益を得たい大学の利害が一致するのがスキームのメリットだ。しかし、スキームを構築するため、筑波大学の教員も務めていた落合氏は、一度その職を辞すというリスクを負った。 なぜ、落合氏はスキームを組むことにここまで執念を燃やしたのか。そこには、ある思いが隠されていた。「この件で取材は初めて」と語る落合氏がこのスキームに込めた狙いを明かす。 研究開発型ベンチャー企業が知的財産権を持つメリットとは 2018年5月30日、落合氏が経営するピクシーダストテク