先日の新聞で、マイクロソフト社が新しい基本ソフト(オペレーションシステム)の開発の完了と同時に同梱の日本語漢字フォントの字体に変更を加へる事を決定したと報道されました。私自身は漢字制限に反対し正字を主軸とする漢字の体系に戻すべきであるとの立場ですので、其の見地から此の件について少々論じてみようと思ひます。 新フォントに関聯する経緯 事の発端は、旧国語審議会(現在の文化審議会国語分科会)が2000年12月8日に答申した「表外漢字字体表」にありますが、更に元を正せば"JIS X 0208"の1983年の改定にまで遡る事が出来ます。此の「表外漢字字体表」に基づいて"JIS X 0213"と呼ばれる規格の例示字体が2004年に変更になりました。以下に時系列を示しておきます。 2000年1月20日 "JIS X 0213:2000"のJIS規格(X0213で検索して下さい)で、既存の第1水準と第2水