降格の危機に瀕するチーム状況だが、田坂(左)の経験に対する監督の信頼は厚い 【Bongarts/Getty Images】 ドイツのブンデスリーガでは現在11人の日本人選手が契約下にあるが、2部リーグではたった2人が戦うだけである。しかもその2人は、これ以上ないほど違う状況下にある。田坂祐介はレギュラーとしてボーフムのキープレーヤーとなっているが、阿部拓馬は初めて2部に昇格したVfRアーレンで、ジョーカーとしての役割を担っている。ただし、この小柄な選手が今冬にトライアルを経て入団したばかりであれば、それも当然だろう。 「アベ、アベ、アベ!」。3月中旬、アーレンのホームスタジアムであるショルツ・アレーナで、アーレンのファンは叫び続けていた。3月17日に行われたザントハウゼン戦で、試合終了間際に2−2とする同点弾をマークし、25歳の若者はヒーローとなった。この結果で降格の危機から一時遠のき、阿