駅近にあるスーパーマーケット。朝9時オープン直後には朝食や昼食を購入するサラリーマン層が目立つ。移動経路を見ると、朝は惣菜と飲用売場を通りレジに直行する割合が高い。手に取っているのは2~3品のみ。電車に遅れないよう急いで買いたいのだろう。そこで、レジ近くにパンや弁当・ドリンク類を並べ、通勤時間帯に専用レジを設けたところ、売上がアップした――。店内での客の行動から導き出した売場改善である。 このように、過去に売れた商品のPOS(Point Of Sales)情報だけでなく、客の行動自体を分析し、マーケティングに生かそうとする試みが増えている。 新たな技術の開発で小売のマーケティングは変わりつつある。先端技術を見ながら、今後の小売のマーケティングの可能性を紐解いていきたい。 売るための資源は「過去」の情報から「現在」の情報へ 小売店を訪れた客は、何をどのように買うのか。これまでは、POSデータ