東北大学は21日会見し、同大大学院歯学研究科の上原亜希子助教(39)が作成した11論文に、データ捏造(ねつぞう)や改竄(かいざん)などの不正行為が見つかったと発表した。 同大調査委員会によると、不正が判明したのは平成13年から19年に作成された口腔(こうくう)粘膜の免疫などに関する11論文20項目。1つの実験データを複写し、別の実験データとして流用するなどの不正が確認できたといい、今後、2人の指導教授を含め処分するとしている。 上原助教は昨年3月、日本細菌学会から新進研究者に与えられる「黒屋奨学賞」を受賞。しかし、受賞論文を含む複数の論文にデータ捏造の疑いがあるとして同学会は受賞を取り消し、同大に不正行為の告発状を提出、同委員会が調査していた。 同委員会の聴取に対し、上原助教は「不正は行っていない」と弁明。論文撤回の意思もないという。