再稼働に向けたプロセスが大詰めを迎えた関西電力大飯原発3、4号機。「政治判断」のカギを握るのは立地自治体の意向だ。長年関西圏の電力需要を支えつつ、その恩恵も享受してきた福井県おおい町でも、福島第1原発事故以降は住民に不安が広がる。だが、簡単に縁が切れないほど、原発が地元に根ざしているのも事実。再稼働に揺れる町を歩いた。(蕎麦谷里志、秋山紀浩) ■巨大施設 町の海岸線に沿って走る国道27号。道路脇に目をやると次々と巨大な施設が視界に飛び込んでくる。 リゾートホテル「ホテルうみんぴあ」、大型児童館「こども家族館」、スポーツ施設「プレーパーク大飯」…。原発立地の見返りで得た多額の交付金により、人口約9千人の町とは思えない景観が形成されていた。