地中海に浮かぶ小さな島国マルタが、地理的なリビアへの近さから、各国が自国民をリビアから避難させる際の輸送拠点になっている(リビアの首都トリポリは東部の主要都市ベンガジよりマルタの方が近い)。インド、ロシア、中国、フィリピンなどの国々がチャーター機やフェリーを使って、混乱が増すトリポリから自国民を脱出させている。マルタ自体もチャーター機でエジプト人900人をリビアから出国させた。 人口41万のマルタを経由してリビアから逃れた外国人労働者は、この1週間で1万2000人にも上る。マルタは国際的な人道援助の中継地としても各国に協力している。 亡命受け入れで反カダフィ路線へ マルタは、できれば中立の立場を守りたかっただろう。親アラブ外交を掲げたドム・ミントフ元大統領の時代から、マルタはリビアのカダフィ政権と長く良好な関係を維持してきた(ミントフは08年、カダフィ国際人権賞を受賞した)。マルタは昨年、