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ブックマーク / honz.jp (18)

  • 『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』 - HONZ

    『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』 一見、ライトノベルを思わせるタイトルだが、書は紛れもない実話である。ただし著者の半生は、まるでラノベの主人公のようにユニークだ。 著者は1992年千葉県生まれ。昔からどこまでも内向的で、考えすぎる人間だったという。そんな性格もあってか、大学受験や恋愛、就活の失敗などで心を壊し、大学を卒業した2015年からは、千葉の実家で引きこもり生活に突入。週一でバイトは続けていたが、それもコロナでなくなってしまい、さらに追い討ちをかけるように2021年からはクローン病という自己免疫系疾患の難病も患う。 驚くのはここからである。著者は引きこもりのかたわら、ルーマニア語を身につけ、2019年から小説や詩を書き始めた。その作品は現地の文芸誌に掲載されただけでなく、《Istoria literaturi

    『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』 - HONZ
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    kno 2023/03/20
    “ラテン語の枠組みを最も今に受け継ぐ言語だとする説もあるらしい”
  • 『語学の天才まで1億光年』超絶面白い語学本! - HONZ

    表紙をみて思わず笑ってしまった。1光年は、光の速さで1年かかる距離だ。1億光年は1億年である。にもかかわらず表紙に描かれた人物は、遥か彼方の目的地にのんきにカヌーで向かおうとしている。 だが笑った後で、はたと気づいた。言語の習得というのは、まさしくカヌーを漕ぐような行為なのではないか。前に進むかどうかは自分次第。しかも目標に到達するまで気の遠くなるような時間がかかる。そう考えると、いたく説得力のある表紙にも見えてくる。 書は、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かないを書く」ことをポリシーに、「辺境ノンフィクション」という独自のジャンルを切り拓いてきた著者による語学体験記である。同時に極めて実用的な言語学習の参考書でもある。語学をめぐる面白すぎるエピソードと、現場でとことん使える実用的知識との融合。あまりにユニーク過ぎてちょっと類書が思い浮かばない。唯一無二の語学

    『語学の天才まで1億光年』超絶面白い語学本! - HONZ
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    kno 2022/09/10
  • 『忍者学講義』忍者、お主は何者ぞ⁉ - HONZ

    「忍者学」は立派な学問である。三重大学では、伊賀地域を中心とした忍者に関する教育研究を推進し、その成果を広く国内外に発信する国際的な忍者研究の拠点として、また伊賀の地域創生に資することを目的として2017年7月1日に国際忍者研究センターを開設し、忍者研究に取り組んでいる。 『忍者学研究』は副センター長で三重大学人文学部の山田雄司教授のもと、文系だけでなく理系、医学系の研究者が一丸となって、忍者・忍術を真っ正面から研究し、現在まで判明した「忍び学」をまとめたものだ。 まずは品化学の分野から忍者に迫る。漫画やドラマなどで目にする丸薬のような忍者。携帯していれば長期間の探査行にも耐えられ、エネルギーの補給となる夢のような事が当に存在するのか。 結論から言うと存在する。古くから伝わる忍術書に書かれたレシピ通りに苦労して作ると、意外にもべられるものが出来上がった。栄養的にも、万能とはいえ

    『忍者学講義』忍者、お主は何者ぞ⁉ - HONZ
  • 『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行 』 - HONZ

    大阪を読み解くための最後のキーワードは、「馬」だと思う。生駒山の西側や淀川の岸辺には、渡来人が多く住み、牧を造り、馬を飼っていた。そんな大阪の馬飼いが、一度歴史的な大仕事をしたことがある。越(こし)の男大迹王(おおどのみこ)〔継体天皇〕を畿内に連れてきたのは大伴氏だが、渋る男大迹王を説得したのは、河内馬飼首荒籠(かわちのうまかいのおびとあらこ)だった。河内で馬を飼育する者たちのトップに立っていた者だ。なぜ、馬を飼う者たちが、越の王を求めたのだろう。 馬と聞けば、「さては戦争に用いたのだな」「ひょっとして天皇家は騎馬民族の末裔か」と、想像してしまうかもしれない。しかし、「大阪の馬」は、流通に用いられたのではなかったか。というのも、海の民と馬は、切っても切れない関係にあったからだ。 たとえば九州の五島列島の住民は、縄文の海人(あま)の末裔だが、『肥前国(ひぜんのくに)風土記』には、馬に乗るのが

    『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行 』 - HONZ
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    kno 2018/11/04
  • 『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』ああ、僕に時間がもう少しあれば、このような1対1のゼミを受講してみたい - HONZ

    何というおどろおどろしいタイトルだろうか。普段お世話になっている旧知の著者からゲラが送られてきたので、少しは読まなければ申し訳ないと思って読み始めたら、これが面白くて読むのを止められない。 書は2人の尖った個性がお互いにを選んで3か月に1回、そのについて縦横に語り合った対談集である。選ばれたも秀逸で(知らないが半分ほどあったが)、2人の対談も奔放の限りを尽くす(ということは密度にも濃淡があるということだが)。これで面白くないわけがない。こうして、あまり例をみないユニークで尖がった書評(?)が出来上ったというわけである。 選ばれたは次の8冊。『ゾミア 脱国家の世界史』『世界史の中の戦国日』『大旅行記』(イブン・バットゥータ)『将門記』『ギケイキ 千年の流転』『ピダハン「言語能」を超える文化と世界観』『列島創世記』『日語スタンダードの歴史』。おそらく、ほとんどの人があまり手に

    『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』ああ、僕に時間がもう少しあれば、このような1対1のゼミを受講してみたい - HONZ
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    kno 2018/04/05
    このコンビ
  • 自分であるということ 『成駿伝 孤独の◎は永遠に──』 - HONZ

    狩りの素人が山に入っても、獲物の存在に、なかなか気づかないそうだ。その一方で、猟師は山を見ただけで獲物がどこにいるかわかるという。私は小学校の頃から競馬をみてきたが、JRAにお金を預けっぱなしである。しかし、出馬表を見ただけで獲物がわかる予想家はいるものだ。書は、昨年の夏に他界した、清水成駿という大物予想家の人物像に迫っただ。 ダービーなどのG1レース前日、コンビニの入り口には出馬表を掲載した新聞がズラリと並ぶ。日中でお馴染みの光景だ。そのなかで一際高く積まれているのが、東スポである。その1面は日で最も読まれる競馬予想と言って差し支えないだろう。長年にわたり、そこに記事を書いてきたのが、日の主役・清水成駿その人だ。競馬好きならまず、知らぬものはいない。 そのコラムは、競馬予想の枠を超えた芸術だった。私は、少年ジャンプの発売を待つ子供のように、週末にそれを読むのを楽しみにしていた。

    自分であるということ 『成駿伝 孤独の◎は永遠に──』 - HONZ
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    kno 2017/05/09
  • 『一汁一菜でよいという提案』 家庭の料理を初期化しよう! - HONZ

    育では、一緒にべることの大切さ、家族揃って卓を囲むことの大切さが説かれます。けれど、商売をやっている家庭や、親が働いている家庭では、一緒に卓を囲めないのは当然で、親が用意した汁を自分たちで温めて、子どもだけでべる。そんな家庭はたくさんあると思います。それでも、大切なものはもうすでにもらっています。それが手作りの料理です、愛情そのものです。だから、別に一緒にべることばかりが大切じゃないのです。 だれもいない夜、両親の帰りが遅いとき、鍋焼きうどんの材料が全部入った皿が台所に用意してあったら嬉しいでしょう。うどん、鶏肉、かまぼこ、しいたけ、ねぎの切ったものが入っています。一人用の土鍋に入れて、だし汁を張って火にかけて煮立てて、うどんを煮込みます。熱々の鍋焼きうどんをテレビの前で一人でべた夜は、私にとって大切な思い出です。 このくだりを読んで、胸がじんとして、涙が出てしまった。しばら

    『一汁一菜でよいという提案』 家庭の料理を初期化しよう! - HONZ
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    kno 2016/10/24
  • アドバイスは無視しろ『BUSINESS FOR PUNKS』 - HONZ

    パンク生誕40周年と言われている年にふさわしいPUNKなビジネス書が誕生した。その名も『BUSINESS FOR PUNKS』(ビジネス・フォー・パンクス)。全世界でクラフトビールブームを牽引しているクラフトビールのメーカーの「BREWDOG(ブリュードッグ)」創業者ジェームズ・ワットが書いた刺激的な経営のである。PUNKが大好きでクラフトビールにはまっている私にとって、これは読むしかない!と思えるだった。 今年はPUNK40周年ということもあり、PUNK関連のがたくさん出版されている。SEX PISTOLSのヴォーカル『ジョン・ライドン新自伝 怒りはエナジー』に、PUNKの女王『VIVIENNE WESTWOOD ヴィヴィアン・ウエストウッド自伝』などがそうだ。PUNKなビジネス書『BUSINESS FOR PUNKS』を含め、この3冊に共通するのはとにかく分厚いだということであ

    アドバイスは無視しろ『BUSINESS FOR PUNKS』 - HONZ
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    kno 2016/10/03
    PUNK IPA飲みたい(そこ?)
  • 欲しかった言葉ときっと出会える『翻訳できない 世界のことば』 - HONZ

    心に湧いてくる感情にぴったり合う言葉が見つけられない…。 言葉で表現しようとすると、ひどくまどろっこしくなってしまう…。 誰しもそんな経験を一度はしたことがあるのではないだろうか。 私たちは言葉があることで、思考することができ、他者と”目に見えないもの”を共有することができる。一方で、言葉によって私たちの思考は規定され、その範疇をはみだす部分については、表現することをあきらめざるをえない場合もある。 だが、そんな「日語では表現できなかったもの」を的確に表す言葉や、意識すらしたことがなかった世界を示す言葉に、外国語を学ぶなかで出会うことも少なくない。 書は、世界の様々な国に暮らした経験をもつ筆者が、「他の国のことばではそのニュアンスをうまく表現できない『翻訳できないことば』たち」を世界中から集めてまとめた一冊だ。 *** その「単位」ありなんだ・・・ 長さの単位にはメートルの他にマイルや

    欲しかった言葉ときっと出会える『翻訳できない 世界のことば』 - HONZ
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    kno 2016/05/24
  • 『きょうだいリスク 無職の弟、非婚の姉の将来は誰が見る?』やだそれ、ウチの話? - HONZ

    あなたには“きょうだい”がいますか?みんなきちんと働いて自立していますか? 昨年夏、ニュース週刊誌「AERA」の特集「きょうだいはリスクか資産か」は大きな反響を呼んだ。その後のアンケートでも、将来を不安視する声が多数集まったという。あなたには思い当る身内はいるだろうか。30歳過ぎてもニートの弟、親と同居する未婚の姉、シングルマザーで非正規社員の妹、親の脛をかじるだけで生きている兄。 今や日は男性の3割、女性の2割が生涯結婚せず、老年を迎える。そのとき身内はきょうだいだけになる。雇用状態も不安定だ。年金や健康保険、親の介護が終わったら今度はきょうだいの介護が待っているかもしれない。 きちんと収入があり、税金や年金の支払いも滞らず、周囲から「普通の人」に見られているあなたのところに、ある日、縁を切りたいと思っていたきょうだいから「助けてくれ」と連絡が入ったら、果たしてどうしたらいいのか。

    『きょうだいリスク 無職の弟、非婚の姉の将来は誰が見る?』やだそれ、ウチの話? - HONZ
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    kno 2016/04/06
    うわぁ…葬式代くらいは貯めてるけど、介護とかはどうすべか
  • 『モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』“でっちあげ”ふたたび - HONZ

    『でっちあげ』というノンフィクションを知っているだろうか。詳しくは私のレビューをお読みいただきたいが「モンスターペアレント」という言葉ができたのはこの事件からだった。学校に対して理不尽な無理難題を突き付け、わが子可愛さに教師ばかりか教育委員会、果ては市や県にまでクレームをつけ、裁判にまで持ち込む。それが正当なものならわかるが、嘘八百を並べ立てていた事件である。 長野県の丸子実業で起こった「いじめ殺人事件」も、このモンスターペアレントが起こした事件であった。 2005年12月、軽井沢に隣接している長野県御代田町で丸子実業高校(当時)に通う高校1年生の男子が自殺した。母親は所属していたバレーボール部内部でいじめがあったことを苦にしていたと証言し、気持ちを書きとめていたノートには「いじめをなくしてほしい」という記述もあった。事実、夏から不登校が続いていた。少年には声が出にくいという障害があり、そ

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    kno 2016/02/17
  • 『地図から読む江戸時代』認識が地図をつくり、地図が認識を変える - HONZ

    書を手に取ったあなたに最初にしてほしいこと。それは日の地図を描くことである」という書き出しに、どきりとした。学校時代、地理は得意科目ではなかったからだ。それでもとにかく頭に浮かべたのは、天気予報でおなじみの、海を背景に日列島の輪郭が取られたあの図だった。 ほどなく、私がそんな図を思い浮かべたことを著者がずばりと当てたのでもう一度どきりとした。どうしてわかったのか。実は、私があの日地図をイメージしたのには、江戸時代にまでつながる理由があったのだ。 書の冒頭で著者が指摘するとおり、地理的な正しさは、地図というものをはかる指標のひとつにすぎない。位置関係や地形以外にも、地図にはいろいろな情報や観念が示されている。なかでも日という存在を表す図(日図)には、それが作られた社会の状態や、そこで共有されていた世界観が映し出されている。 逆に、ある日図が広まることによってひとつの認識が広

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  • 【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第6回:今生きている社会がすべてではない - HONZ

    人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。連載の最終回は「今生きている社会がすべてではない」ことについて。様々な国を知ることや歴史を学ぶことには、どのような意味があるのか?(HONZ編集部) ※過去の記事はこちら→第1回、第2回、第3回、第4回、第5回 清水 『謎の独立国家ソマリランド』の冒頭、エピグラフに「今まで見てきたことや聞いてきたことが、全部でたらめだったとしたら面白い」というような言葉が書かれているじゃないですか。 高野 ブルーハーツですね。「情熱の薔薇」の歌詞を引用したんです。 清水 あれはまさしくその通りだなと思って。僕は学生に対していつも言っているんですよ。今生きている社会がすべてだとは思わないでほしいって。それとはぜんぜん違う論理で動いている社会があるんだし、我々の先祖の社会にも今とはぜんぜん違う

    【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第6回:今生きている社会がすべてではない - HONZ
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    kno 2015/08/28
  • 【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第5回:カオスでぐずぐずが室町時代の真実 - HONZ

    人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。第5回は「カオスでグズグズが室町時代の真実」について。室町時代を捉えるにはどのようなスタンスが求められるのか?(HONZ編集部)。 ※過去の記事はこちら→第1回、第2回、第3回、第4回 カオスでぐずぐずが室町時代の真実 高野 網野善彦さんという研究者はどんな方だったんですか。僕も学生時代に網野さんのを読んで、面白いなあと思った口なんですけど。 清水 中世のイメージを革命的に変えた人だと思いますね。それ以前は、日の中世は武士と農民の時代で、荘園は閉鎖的な村落で、人々はみんな自給的な暮らしをしていたというイメージでとらえられていたんですが、そうじゃなくて、非農業民を含むさまざまな人たちがうごめいていた社会だったんだというオリジナルな着想をもち込んで、注目されたんですよ。映画

    【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第5回:カオスでぐずぐずが室町時代の真実 - HONZ
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    kno 2015/08/26
    "ベテランの研究者から「日本が無秩序な社会だったことをことさらに強調して、一体何の得があるんだ」って食ってかかられた"w/網野さんの話も
  • 【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第4回:伊達政宗のイタい恋 - HONZ

    人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。第4回は伊達政宗のイタい恋について。BLのルーツは戦国武将にあり!?(HONZ編集部) ※過去の記事はこちら→第1回、第2回、第3回 伊達政宗のイタい恋 清水 江戸時代の元禄年間が日歴史のターニングポイントだったという話をしましたよね。ひげがなくなるのはまさにその頃で、もう一つの傾向としては、同性愛文化がすたれていくんですよ。もちろん、アンダーグラウンドな世界では残るんですが、趣味としておおっぴらに同性愛を楽しむ風潮がなくなってきますよね。なぜかというと、もともとは同性愛もひげと同じで、男らしさの表れだったんですね。 高野 そうだったんですか。 清水 なよっとした感じのものではなくて、「女なんかとつるんでいられるか」というような感じの。 高野 むしろ男子校的な。 清水 

    【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第4回:伊達政宗のイタい恋 - HONZ
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    kno 2015/08/22
  • 【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第1回:かぶりすぎている室町社会とソマリ社会 - HONZ

    8月26日発売の『世界の辺境とハードボイルド室町時代』は、人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集である。「世界の辺境」と「昔の日」は、こんなにも似ていた! まさに時空を超えた異種格闘技の様相を呈す内容の一部を、HONZにて特別先行公開いたします。第1回は「高野秀行氏による前書き」と「かぶりすぎている室町社会とソマリ社会」について。(HONZ編集部) はじめに by 高野 秀行 私はふつうの人が行かないアジアやアフリカなどの辺境地帯を好んで訪れ、その体験をに書くという仕事をしている。こんなことで生活できるのはありがたいと思うが、一つ困るのは話し相手がいないことだ。 たとえば、ここ5年ほど通って取材を行っているアフリカのソマリ人。彼らは数百年前から続く伝統的な社会システムを現在でも維持しており、それに従って内戦も和平も恋愛 も海賊行為も行われている。

    【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第1回:かぶりすぎている室町社会とソマリ社会 - HONZ
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    kno 2015/08/13
  • やっぱり日本の翻訳家はスゴイ!『翻訳問答』 - HONZ

    シンプルでセンス溢れる軽快な装丁、帯には江國香織と穂村弘の推薦文、著者は、僕らの世代だと、ハワイやサーフィンのイメージがすぐに浮かぶ、作家・翻訳家の片岡義男と、クッツェーの翻訳や『嵐が丘』の新訳で知られる鴻巣友季子。そしてタイトルの「蒟蒻問答」を思わせる遊び心ーー。 を手に取れば、どうしても「洗練」「洒脱」といった言葉が思い浮かんでしまう。ところが、いざページを開くとまったく印象が変わる。ひんやりと澄んだ空気感のなかで、真剣を交えるような言葉のやりとりが続く、実に読みごたえのある一冊なのだ。 書の「仕組み」は、次のようなものだ。 ・まず著名な、すでに翻訳されている著名な小説を、「課題小説」として片岡、鴻巣両氏が選び出す。 ・訳す範囲の原文だけが編集部から二人に渡される(つまり全体を通して原文を読むことはできない)。 ・締切日が提示され、その日までに双方が翻訳原稿を提出したのち、対談が行

    やっぱり日本の翻訳家はスゴイ!『翻訳問答』 - HONZ
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    kno 2014/10/23
    "自分は何パーセントくらいの翻訳でいくのか、と態度を決めるのです。"
  • 行ってきました、日本製紙石巻工場! 『紙つなげ!』 - HONZ

    話題の『紙つなげ!』がついに7万部突破とのニュースが入ってまいりました。おめでとうございます。そこで、勝手に応援団を名乗るHONZも石巻工場におじゃますることに。ついに、あのマシンに会える――まずは東北新幹線で仙台へ! 胸アツ取材のはじまりです。 すでにHONZでもレビューが何かあがっているので、事情はご存知かもしれません。 日製紙の石巻工場が、あの震災の津波に流され壊滅状態だと聞き、出版に携わる者すべての足下が揺らぎました。この工場だけで出版用紙の2割にも達する生産を誇っていたからです。が、物語はそこからです。奇跡と呼ぶに値する復活、それが書には描かれています。 今回はの主人公、「8号抄紙機」に焦点をしぼってご紹介いたしましょう。この8号こそが、石巻工場の中でも、単行、文庫、コミックなどに使用されるさまざまな用紙をつくり、日の出版書籍用紙の1割近くを生み出していた、好きにと

    行ってきました、日本製紙石巻工場! 『紙つなげ!』 - HONZ
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    kno 2014/08/13
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