「果敢に攻める稀有(けう)なアジアの買収王Son」――。米国で孫正義ソフトバンク社長の評判が急上昇している。数年前まで一般にはあまり知られていない存在だったが、米スプリント・ネクステル(現スプリント)の買収で一躍有名に。その後も立て続けに手掛けるM&A(合併・買収)話で全米の注目を集め、今ではその動向が米国メディアで頻繁に取り上げられるようになった。ただし、ここまでは米国人好みの「リスクをいとわないM&A型エグゼクティブ」としての好評価である。孫氏が経営者としてグローバル市場で本当に認められるには、危機モードにあるスプリントの再建など乗り越えなければならない課題が山積している。