はじめ世界は混沌のみがあった… 日本の「国生み」の神話は古事記に記述があります。 高天原(たかまのはら)に住む神々は下界に国を作ることにして、イザナギノミコトとイザナミノミコトを派遣した。当時は大地はまだ水に浮いた油のように海水に漂っていた。二人は矛をさして海水をかき回し、矛を持ち上げて落ちた水滴が積もり重なり於能凝呂島(おのごろじま)という島ができあがった。 二人は島に降りたって、はじめに淡路島、つぎに四国、隠岐島、九州、壱岐島、対島、佐渡島をつぎつぎと生み、最後に本州を生んだ。 このような「創世記神話」「国づくり神話」は世界中の民族に存在します。 どのように違うのかそのあらましを比較していこう、というのが今回の記事の趣旨です。 1. アイヌの「天地開闢」 この物語は江戸時代の探検家・松浦武四郎が、1858年にタツコプ・コタン(現:夕張郡栗山町字円山)に住む83歳の老人から聞き取ったもの