新型コロナウイルス患者の重症化を防ぐ飲み薬の開発を、塩野義製薬が進めている。近く厚生労働省に承認申請をする方針で、臨床試験(治験)全てを終えなくても薬を使える「条件付き早期承認」を目指すという。国産治療薬への期待の一方、「治験の症例数が少なすぎ、副作用のリスクがはっきりしない」と懸念の声も上がる。(森耕一) 「優れた有効性、安全性のトレンドが確認できております」。塩野義は7日の投資家らへの説明会で、開発中の新薬への自信を示した。新薬は、ウイルスが人の細胞内で増殖するための部品となるタンパク質をつくることを妨げる「抗ウイルス薬」。感染初期に服用することで、重症化阻止を狙う。