僕の乗るマグロ船は、太平洋のマーシャル諸島付近の漁場を目指し 南に航行を続けていた。 船にもいろいろある。 貨物船もあれば、タンカーもある。 他の船舶のことはわからないが、マグロはえ縄漁船の場合、沖に出て主機エンジンが止まることはない。 主機エンジンが止まるのは、入港して船を接岸した時か操業時の縄をはえて マグロが釣れるのを待つ(仕掛けを仕掛けてマグロが掛るのを待つ時間)3時間程度のみ。 また船の速度を落とすことも、よっぽど特別なことが無い限り落とすことは無い。 航海も4日目にもなると、大体自分なりの船内における生活パターンの要領がわかってきた。 もちろん、仕事ではまだまだ使い物になるレベルではない。 ほとんどが雑用だ。 そして、もう一つ大きく変わったものがある。 気持ちだ。 出港してからずっと船酔いに悩まされ、あまりの生活の激変を受け入れることが出来なかった。 もちろん「マグロ船に乗る」