主に母乳を介して母から子へ感染するウイルスによって引き起こされる血液のがん、成人T細胞白血病(ATL)。感染者が九州・沖縄に偏在しているとして、全国的な対策は取られず、啓発や研究も十分ではありません。8日から始めた本紙の関連報道に対し、患者や家族からは「放置されてきた」ことへの怒り、そして、子を持つ女性からは独り思い悩む苦しみがメールやファクスで寄せられました。一部を紹介します。 「つい1カ月前までまったく知らなかった病気で瞬く間に悪化し昏睡(こんすい)に陥った母に、何もしてあげられない自分が歯がゆくてメールしました」 74歳の母親がATLを発症したという福岡県糸島市の女性(38)は、この病気が知られていない現状をつづった。母親が腰痛や胃痛を訴えて医療機関を受診してから、病名がつくまで3週間を要した。病気の啓発こそが早期診断・早期治療につながると訴える。 2005年にATLと分かった