「ネット史上に残る事件」-。ネット上のやりとりだけで面識のない人を殺害した事件は、今も波紋を広げている。ネットはもはや生活に欠かせない半面、犯罪などにつながるリアル(現実)な不安材料としてとらえる人も増えている。自由な言論空間を最大限尊重しつつ、凶行を防ぐ手だてはないのか-。専門家は「ネットの中でも、福祉的な仕組みを考える時期に来ている」と語る。 2015年ごろからネット上で他のユーザーを「低能」などと中傷を繰り返し、「低能先生」とやゆされていた松本英光被告。公判では、有名ブロガー「Hagex」として活躍していた被害者岡本顕一郎さんだけでなく、自分を批判する他のユーザーも殺害対象リストに入れていたと告白した。「『殺してやるとしたら』と優先度も付けた」と淡々と語った。 「私もリストに載っているんだろうな」「どう考えても逆恨みだわ」。公判がニュースで紹介されると、松本被告と岡本さんが利用したサ